VOS,No.107

 特集:世界が近くなる [Back]

本学の国際化・国際協力の状況 武藤 睦治(機械系 教授)
 交通手段並びにコミュニケーション手段の驚異的な発達により,距離という障壁が撤去され,地球全体にわたる交流がますます容易な時代となっている。それに伴い増大する異種文化・異種社会との交流の量が,人間の意識を変え,その活動を活発化している。大学もその枠外ではない。幸いにして本学では,その設立理念に基づく活発な教育・研究活動が,自ずから国内という枠を超え,他大学にひけをとらない,むしろ遥(はる)かにしのぐ国際的活動を展開してきている。このような活動を必ずしも数量で表すことはできないが,実情を知る参考として,また本特集の背景として,以下に例示する。
(1) 大学間交流協定:現在21の世界各国の大学・研究所と交流協定を締結。特に1999年以降タイ,モンゴル,インド,ミャンマー,ヴェトナム,中国,韓国などアジア地域各国の主要大学との交流協定締結が急増しているのが特徴的。
(2) 本学学生の研究指導委託あるいは交流協定に基づく海外大学・研究所への派遣
(3) 留学生受け入れ:1991年度約80名であったが,2000年度には約160名と10年間で倍増している。160名という数は全学生数の約8%であり,他に比べ高い比率となっている。
(4) 実務訓練生の海外企業への派遣:1990年度に始まり2000年度までに合計47名を派遣,その数は急増している。本年度(2001年度)だけで20名を超える学生の派遣が予定されている。
(5) 国際会議への教官・学生の派遣:膨大な数に上る。
(6) 本学を中心とした国際会議の開催。
(7) 文部省「在外研究員」・「国際研究集会」制度による教官派遣:1979年より2000年度までに104名を派遣。
(8) 日本学術振興会国際関係諸事業:1980年度から2000年度までに外国人研究者招聘並びに本学教官派遣が38件。
(9) 本学の他にはない特筆すべき国際的活動として,上述(4)の海外実務訓練に加え,JICA(国際協力事業団)プロジェクトへの積極的・組織的協力がある。例えば,AIT(アジア工科大学:タイ)への教官派遣,HEDS (インドネシア高等教育開発),タイ・タマサート大学工学部支援,タイ・パトムワン工科大学支援などのプロジェクトへの協力をあげることができる。特にタマサート大学工学部支援プロジェクトでは,本年3月のプロジェクト終了までの7年間に延べ52名の教官を,延べ154ヶ月間派遣しており,JICAを通したこのような組織的国際協力の実績と経験は,本学の特色ある活動の一つとして今後是非とも生かされるべきものであろう。
 本学の国際化・国際協力の状況について例示してきた。筆者が知らずに抜け落ちている重要な活動もあると思われる。ご容赦いただきたい。
 時代は言うまでもなくグローバル化にあり,その先取りをさらに進めることが,本学の個性を形成するものであろう。最後に,学生諸君を含めた若い方々には,是非具体的目的を持って,積極的に国際化・国際協力に取り組んでいただきたい。違った自分,成長した自分を発見することになるであろう。