VOS,No.108


 特集:ものづくりの魅力 [Back]

0 生物系のものづくり
花の品種改良 新しい植物作り

池田 真紀子
(生物機能工学専攻2年)

筆者と材料のマーガレット(遺伝子非組換え品)

 私の研究テーマは花の品種改良で,青いマーガレットを作ることを目標にしています。白い花を咲かせるマーガレットは,青い色素を作る遺伝子を持っていません。そこで青い花を咲かせる植物からその遺伝子を取り出し,遺伝子組み換えでマーガレットに導入して,青い花を咲かせるマーガレットを作ることを目的にしています。
 遺伝子組み換えというと,人工的な感じがして何となく気持ち悪いという人もいると思います。私が試みている方法は,植物に自分の遺伝子を組み込む能力を持った土壌細菌,アグロバクテリウムを利用して,植物に遺伝子を入れてもらうやり方で,自然が持つ仕組みを利用したものです。導入する遺伝子も青い花の植物から取ってきたもので,人間が人工的に作ったものではありません。
 人の暮らしを豊かにする,役に立つ植物を作りだすのが品種改良の目的で,これまでも人間は人工交配によって,新しい性質の植物を作ってきました。遺伝子組み換えも元々自然界で見られた現象で,品種改良に使えるようになったのが新しいだけです。
 それでも,口に入れる食品の遺伝子組み換えには抵抗感がある人が多いのですが,鑑賞用の花の遺伝子組み換えが遺伝子組み換え植物を身近にしていけば,次第に役に立つ新技術として受け入れられるようになると考えて研究を進めています。