VOS,No.109

 にいがたみてある記 シリーズ60 [Back]

千秋が原ふるさとの森〜米百俵の群像〜

本田 泰子(研究協力課 事務官)

雪に囲まれて

 大学から国道8号線を新潟方面に車を走らせること10分。長岡駅からは15分ほどだろうか。かの有名な大河信濃川に架かる長岡大橋のたもと。ここが今回御紹介する千秋が原ふるさとの森である。
 この公園の一角に,昨年から急に見学者の増えた場所がある。そう,小泉首相の所信表明演説に登場以来,一躍全国的に有名になった長岡市と米百俵の逸話のシンボル的存在となった「米百俵の群像」である。
 今でこそ県立近代美術館やリリックホール,日本赤十字病院などが建ち並び,一大文化地域といったこの辺りだが,6年ほど前の寒い2月にここで行われた雪しか祭りを「雪しかないお祭り?」と勘違いするほど,何もない,ただ真っ白な景色を未だに忘れることができない。色とりどりというよりは,何もしないほうが雪像らしいのにと思うほど派手に塗りたくられた雪だるまたちを見終えて,ハイブ長岡(展示場)の横の広場というよりは雪原で子供たちが喜んで上ったり下りたりしている大きな雪山を見つけた。そのとき,手前にデーンとそびえ立つ横長の黒い塊が目に入った。何だろう?銅像のようだが,こんなに大きなものは子供のころ見た東京タワー前の南極物語の犬たち以来である。
 見れば「米百俵の群像」とある。横には,明治の初めの米百俵の逸話を題材に書かれた文豪山本有三の戯曲「米百俵」を昭和54年に歌舞伎座で公演した一場面をブロンズ像で再現したものとあり,その故事について簡単な説明書きがある。平成3年,今では懐かしい「ふるさと創生1億円事業」で建立されたものだという。
ライトアップされて
 不況の中でも,まだまだ建物が建ち,道路ができ,新しい店が開き,どんどん変わりつづけるこの辺りで,どっしりと動かない(動けない?)群像の1人1人が私たちを見守ってくれているようだ。
 さて,このお正月,長岡市が発売した,この米百俵の群像をモチーフにした年賀はがき。こんなにブームになる前に予算をとって作成したため,長岡市民1人にようやく1枚が渡る計算なのだそうだ。ちなみに私は買えなかった。この貴重なはがきが届いた方,あなたにとって今年はラッキーな年になるかもしれない!?