VOS,No.112

 研究室から [Back]

■「機械系 永澤研究室」 村 山 光 博
(情報・制御工学専攻4年

 環境にやさしい工業材料として,「紙」の利用が見直されてきています。紙は古くから私たちの身近で目にしてきた材料ではありますが,一般的には,紙は“弱い”ものであるという潜在意識があったかと思います。利用者の立場からはその性質を深く意識することはありませんでした。しかし,実際に紙の材料特性を調べてみると,意外と“強い”ことがわかります。また同時に,紙の製造過程における微妙な調整の差異,利用時の温度や湿度,紙の方向,負荷速度など様々な環境条件によって特性が大きく変動することも紙の特徴であり,工業材料としては扱いが難しい材料とも言えるでしょう。
 研究室における課題の一つとして,このように複雑な特性を持った板紙(ボール紙)を加工する時の力学的挙動を明らかにすることにより,実際の加工現場で起こる様々な問題に対して理論的な見地からの解決策を見出すことがあげられます。型抜き加工は,例えば,お菓子の包装箱などを製造する過程において,展開図形に合わせて配置されたカッターと平板(面板)との間に板紙を置いて,圧力をかけて打ち抜く加工法であり,カッター,板紙,面板の3つの要素が関係することになります。完全に先のとがったカッターやどんなにカッターを打ち付けても傷付くことの無い硬い面板は,加工の一番良い条件なのでしょうか?実際には各要素の特性だけでは無く,これら要素が組み合わされた状態において加工により適した条件が存在すると言われています。
 私たちの研究はこの各要素の特性を調査するところから,これらの複合された特性に対する最適化問題に展開されます。
 研究室におけるまた別の課題としては,教育支援システムに関する研究があります。大学や企業などで機械の操作や設計手法などの教育を行なう場合に,コンピュータを利用した支援システムの構築が検討されること多くなってきています。実際にそのような支援システムが有効に活用されるためにはどのような仕組みが必要かなのか?また,そのシステムの有効性はどのように定量評価できるか?といった観点から,教材,知識ベース,推論エンジンなどの要素を含めて体系的に研究を続けています。私たちの研究室では,年に1〜2回の合宿を行なっております。自然豊かな妙高高原の山荘に泊まって,各人の研究についてのディスカッションを行い,その後はビールを飲みながらのバーベキューも楽しめます。空気のおいしいところで,おいしいものを食べることはリフレッシュにはとっても良いものです。
学会発表風景
ある日の研究室