VOS,No.113

 研究室から [Back]

■環境・建設系 佐藤研究室 小 笠 和 仁
(材料工学専攻4年)

 本研究室のキーワードは「エネルギー変換」と「環境浄化」です。すなわち,天然ガスの電気エネルギーへの変換と貯蔵,および水質中の微量有害金属イオン除去の研究によって,現在のエネルギー消費や環境汚染問題に材料工学的に対処できる技術開発を目指しています。このために,本研究室では金属や無機化合物を,バルク,微粒子,あるいは薄膜として組み合わせた複合状態の表面および界面が示す化学的性質に着目しています。このような性質を解明するには,目的とする材料を作製した後,電気化学的測定法および固体表面の物理的分析法などを用いる必要があります。これらの研究手法を通して,エネルギー変換材料および環境浄化材料が,その機能を有効に発揮する際に起こる化学現象や物理現象を,我々は理解しようと努めています。
 本研究室の主要研究テーマは,1)固体酸化物燃料電池(SOFC)におけるメタンの直接利用,2)リチウムイオン移動による充放電が可能な全固体型薄膜キャパシタ素子の開発,3)複合水酸化鉄微粒子の表面イオン交換反応を利用した重金属イオンの選択回収です。現在の研究室学生構成は,博士後期課程2名,修士課程4名,学部4年生3名です。私の研究目標は,燃料電池の中で原理的に最も発電効率が高いSOFCに関して,新しい電極(燃料極)と高性能の電解質を組み合わせて,従来困難であったメタン燃料の直接利用により発電効率を高めることです。この方式では,地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を削減しながら,エネルギー資源の有効利用が可能となります。私の研究結果から,遷移金属微粒子を複合化状態にすると特有な表面原子配列が形成し,メタン酸化反応促進により発電効率が高まることが,明らかになりました。
 毎日の実験を積み重ねて,学会発表ができる研究結果を定期的にまとめるように心がけていますが,実験は思うように進まず,毎回苦労の連続です。しかし,研究に打ち込める環境が本学には十分に整っており,研究に関する課題や興味はつきることがありません。この恵まれた環境の下で,自分自身の専門性をさらに高めながら,研究者に必要な能力を身につけるよう努力しています。我々の研究室では,研究室配属4年生の歓迎会,ソフトボール大会,研究室旅行,花火大会,実務訓練壮行会,スキー旅行と年間行事が盛りだくさんです。研究活動だけでなく,これらの課外活動でも研究室仲間との協力や交流を通して,多くのことを学んでいる毎日です。
実験装置の前にて
セコムホールでのワールドカップ見学会にて
(本人右端)