VOS,No.113

  ほ〜っとするはなし [Back]
教職員の趣味・特技,休日の過ごし方,ふるさとの紹介などをするコーナーです。

ヴァレリー・マクガウン (経営情報系 外国人教師)

 「ほっとするはなし」といわれて,大変困った。何も浮かんでこない。とりあえず昔のことを思い出してみよう。中学生時代からずっとソフトボール,乗馬,アイス・スケート,大学に入ってから,スキー,スカッシュなどいろんなスポーツをやってきたが,いつの間にかひとつずつやらなくなってしまった。でも,東京にいると自宅から研究所まで,階段の上り下りが8箇所,その間,混んでいる電車に乗ったり,混んでいる駅の構内を歩いたり,毎日勝負みたいなものだ。それでも,あまり運動をしているような気がしない。ちっとも楽しくないからだろうか。
 長岡に来てから,また何とか積極的に運動をしなくてはいけないと思って,トレーニングをはじめた。しばらくして,大学でソフトボール大会があると聞き,昔のことを思い出して,出ることにした。しかし,やっぱり体がいうことをきかないのを明白に見せつけられた。がっくり。
 でも考えてみれば,日本では,100歳にして,元気で仕事をしたり,毎日の生活を楽しんだりしているお年寄り,あるいは,65歳以上のソフトボールチームがあるというような話がよくメディアで取り上げられている。なら,私にもできないはずはない。まず,忙しくなって,中断したトレーニングの復活だ。体がいうことを聞いてくれるまで相当の時間がかかりそうだが,続けさえすれば,そのうち必ず強くなる。
 体は体でいいんだが,頭を「鍛える」のにどうすればいいだろうか。以前,囲碁を習ったことがあるが,残念ながらすっかり忘れてしまった。当分,改めて覚える時間的余裕はなさそうだ。書道に興味があるが,それは頭を「鍛える」というよりは安らいでくれるものではないだろうか。そこで思いついたのは,「21世紀の日本の政治意識を考える会」。人間というのは,社会的な動物(social animal)でありながら,政治的動物(political animal)でもある。で,私はなによりも,お酒を飲みながら,ゆっくり時間をかけて,そのときの社会・政治の話題について話し合ったり,考え方や意見を交わしたりするのが大好きだ。
 たとえば,インターネット。昨年の9月11日の同時多発テロ事件をきっかけに,欧米で大きな議論が巻き起こっている。独占型になりがち,しかも個人のコントロールがとても及ばないマス・メディア(新聞,ラジオ,テレビ)の代わりに,安くて,誰でも自由に使える新しいコミュニケーション手段として非常に期待が寄せられた。その一方,インターネットは有史以来で考えられなかった市民一人ひとりの生活・行動をきめ細かく監視することを可能にする恐ろしいものでもある。アメリカやヨーロッパでは,テロの事前防止,テロリストの取締りを理由に,個人のインターネットや携帯電話の利用の詳細を保管することを情報通信事業者に法律で義務付けようという要求が既に出ている。情報通信技術が猛スピードで発展していく中で,どうしたらその発展過程が人間の自由を守りながら,人間社会のために役立つような方向に向けられるかという複雑で,深刻な課題が投げかけられている。このような問題に一人一人責任を持って取り組んでいかないととんでもない結果を招いてしまう。そのために,21世紀にふさわしい「政治意識」を急いで育てなければならない。