VOS,No.114

 市民と技大 [Back]

高度技術者研修

有機化合物の構造解析の一場面
 技術革新の進展や産業構造の変化に伴い,常に最新かつ高度な知識・技術を習得することが重要となっており,企業等からは在職者の再教育を受ける機会を求める強い要請があります。本学は,社会的責務の一環として,平成2年度から,地域企業等の現職の技術者・研究者を対象に,高度技術の習得を目的とする技術研修を実施しています。
 本年度は,「有機機能材料開発のための高度機器分析−基礎と応用−」及び「“統計技術”再入門−実践的な立場から−」の2講座を各2日間にわたるカリキュラム編成で実施し,受講生からは,高度な技術を体験・習得することができ,大変有意義であったとの感想をいただきました。


研 修 名 実 施 日 募集定員 受講者数
有機機能材料開発のための高度機器分析 ―基礎と応用― 11月5日(火)・6日(水) 10 8
“統計技術”再入門 ―実践的な立場から― 11月11日(月)・12日(火) 10 6
ながおか市民大学

 ながおか市民大学は,長岡市教育委員会(中央公民館)の主催で,市民の高度で専門的な学習要求に応えるため,市内の高等教育機関等と連携することにより,学習内容を選択できる体系的な学習活動の場を長岡市民に提供することを目的として,本学をはじめ長岡造形大学,長岡大学,長岡工業高等専門学校,長岡市中央図書館,長岡市科学博物館の6機関が講座を担当し開設しています。
 このような形は,本学が実施している公開講座等と同様,一般的な社会サービスのひとつとして,市民のニーズに応え,生涯学習の一翼を担うこと,あるいは市民の自己実現の要請に応え,生涯学習の一助となることであり,生涯学習活動に貢献することであると考えられます。
 また,今後は,ながおか市民大学のみならず,地域の歴史・文化・経済・産業と結びついた特色ある教育研究を展開し,地域の発展に貢献することが本学の使命のひとつであります。さらに,地方自治体においても個性豊な地域社会の形成や地域の課題に取り組むことが求められており,双方の連携・協力・交流は,ますます重要となってきます。
 平成14年度の「ながおか市民大学」の講座数は17講座で,本学は3講座を担当し,講座名等は次のとおりです。

講 座 名 内 容 講 師
4学連携講座
「長岡市における明日の教育を考える」
パネルディスカッション 環境・建設系
丸山(久)教授
身近なセラミックス 講義8コマ 機械,電気,化学
環境・建設系
石崎教授 他7名
初心者フランス語講座 講義12コマ 語学センター
稲垣教授

公開講座
「環境とエネルギー」電気自動車のしくみ
 本学では,社会人等に大学の知識・教養等の情報提供並びに学習の機会を提供することにより,社会人等の教養・文化の向上等に資することを目的として,毎年公開講座を実施しています。本年度は下記の3テーマを開催しました。
 各講座では,安全規格の標準となっている「ISO」,現在私たちが考えていかなければならない「環境・リサイクル」と「エネルギー」,高齢化社会における「脳の働きと病気・診断・治療」について,受講者に易しく講義を行いました。講義後,受講者から多数の質問が寄せられ,テーマ毎に高い関心を伺い知ることができ,好評のうちに終了しました。


講 座 名

開催期日 担当教官 募集定員 受講者数
これからの機械安全 7月6日(土)
7月13日(土)
田中 紘一,蓬原 弘一,
三上 喜貴,木村 哲也,
太田 浩之
50 27
環境とエネルギー 9月29日(日) 高橋  勲,松下 和正,
小松 俊哉,齋藤 和夫
50 14
アルツハイマー型痴呆の原因と診断・治療―医学,工学,理学の立場からのアプローチ― 10月12日(土)
10月19日(土)
福本 一朗,渡邉 和忠,
(学外講師)
川瀬 康裕,長谷川成人
50 32

公開講座に関わって
ドイツの機械安全の実情を報告して
木 村 哲 也 (機械系 助教授)


 欧州流の安全思想(欧州機械指令51)に基づく機械に対する安全の考え方が日本でも必要になってきています。この流れをうけ,機械系では昨年度より大学院修士課程社会人キャリアアップコース「機械安全工学」を開講しました。私はその推進ワーキンググループの一員として,2002年3月に「ドイツにおける機械安全は本当はどうなっているのだろう?」と思い,太田助教授とともにドイツの機械安全関係の機関を訪問しました。(訪問先:ダルムシュタット工科大学,フォード社ケルン工場,職業保険組合の労働安全研究所(BIA),職業保険組合の教育センター(BG Education Center))。
 今回の公開講座では,ドイツで実際に機械安全に関わる技術者,研究者と面談して得られた情報を,写真,ビデオ,資料とともに,受講生の方々に報告しました。ドイツの機械安全の歴史は100年以上に及び,また実物教育を重視した教育システムは大変しっかりしたものであり,限られた時間ではとても全容を報告するには至りませんでした。しかし,実際に我々が見て,聞いて,感じた事を率直に報告できたのは,
収集した資料の一部1
収集した資料の一部2
機械安全の本質を理解する上で, 一助になったのではないかと思います。機械安全という専門的なテーマでしたが, 企業で機械安全に関係される仕事をされている方々が多数受講されていました。 受講生の皆さんは大変積極的な姿勢で参加されており,かなり突っ込んだ質問もありました。公開講座で多くの方々と交流することで,私自身,機械安全の重要性を再認識し,また,日本で現在唯一の本講座の重要性を再認識する機会になりました。