VOS,No.114

 特集/技大と高専 [Back]

高専訪問・出前授業を実施して
人,人,人,すべては人である
福 本 一 朗 (高専広報検討プロジェクト委員・生物系 教授)

 高専広報検討プロジェクト委員を拝命してはや2年,曲がりなりにもこの大役を果たしてこられたのは,ひとえに生物系教官諸氏・本学広報法規係事務官の方々のご協力のお陰の賜物と感謝している。当系ではプロジェクト発足の1996年度より高専訪問を開始したが,当初は全国62高専のうち物質工学科を有する31校のみを主たる訪問対象としていた。しかし高専全科対応を設立の基本方針としている生物系への高専物質工学科からの編入学者は約6割にすぎず,電気系・情報系・機械系・土木系からも多数の優秀な学生が進学してきていることがわかった。そのため小生が委員を拝命した後,従来一度も訪問してこなかった「物質工学科を有しない高専」31校も含めた全国62高専を3カ年で完全に訪問する計画を立てた。教授の先生方の手弁当での協力も得て表1に示すように2001年度までに延べ65校を訪問してきたが,2002年度はさらに訪問規模を拡大して34校の訪問を予定しているところである。また当系では高専を訪問する際には大学全体の紹介・生物系の紹介とともに「原則として必ず出前講義も実施する」こととしてきたが,これは高専訪問アンケート結果から単なる大学紹介だけよりも「実質的な講義」を求める声が大きかったからである。今まで小生が訪問してきた高専は,群馬・小山・沼津(1996),
奈良・鈴鹿(1999),福井(2000),津山(2001),大阪府立・明石(2002)であったが,ほとんどの高専で校長先生自ら親しくお迎えいただき,中には夜遅くまで出前講義に参加していただいた先生方もあったのみならず,高専の現状や技大への期待について貴重なご意見をいただくことができた。「人,人,人全ては人である(少林寺拳法教範)」という先人の言葉通り,技大と高専の協力関係も所詮は「人と人の顔を合わせての付き合い」がなければ「本当に心の通ったもの」とはならないと実感させられた次第である。

「技大と高専」雑感(技大PRを受けて)
田 村 隆 弘 (徳山工業高等専門学校 土木建築工学科 助教授)

 「技大が(高専にとって)特別の大学でなくなって来ている。」と,最近良く耳にする言葉です。確かに一般大学の3年次編入枠の数や編入条件等を見渡すと学生の選択肢は多く,「なぜ,技大なの?」と高専生やその保護者が疑問を抱くことは全く自然と言える状況です。
 その疑問を払拭する為に,今年も建設系から下村匠先生が来校され,土木建築工学科の4年生全員に技大のPRをして頂きました。(この時期,4年生は進路をほぼ固めてきており,進学希望者だけを集めるという方法もあるかと思いますが,私としては,高専に深くかかわりのある大学としてできるだけ多くの学生に聞いて欲しかったものですから,担任にも相談してそうさせていただきました。)高専しか知らない学生にとって大学から来られた先生の話は,真新しい話題や耳慣れないことも多く熱心に耳を傾けていたように思います。特に,長岡技大がトップ30の中に名を連ねた大学であること,高専と密接な関係にありカリキュラムの継続性が十分に考慮されている点など,技大に進学することのメリットは良く伝わったと思います。先生のPRの影響かどうかは別として,その後の調べで,
徳山高専天野校長(右)と下村助教授
本クラスの来年の進学希望者は,50%を越えました。
 独立法人化やJABEE対応等々長岡技大にとっても高専にとってもいろいろと大変な時代になりました。しかし,こんな時代だからこそ,お互いがいろいろな面で協力していければとも思います。
 写真は,本校の天野校長との歓談の一コマです。お二人とも東大のOBということで会話も進みました。