VOS,No.116

 研究室から [Back]

■福本研究室 児 玉 直 樹
(情報・制御工学専攻4年)

 病院に行かれた人は,血圧計や心電計,X線CTやMRIなど様々な機器が働いていることに気づかれたと思います。これら生体を診断・治療する機器は医用機器もしくはME機器と呼ばれ,ME機器なしには近代医学は一日たりともその任務を果たすことができません。ME機器の研究・開発・設計を行うためには,工学のみでなく生体に関する知識と技術をも同時に兼ね備えなければならないため,ME機器に関する学問領域を医用工学と呼びます。また,生体が持つ優れた構造や機能を人間が学んで工学技術に取り入れようとする学問領域を生体工学と呼びます。これら医用工学と生体工学は基礎となる学問領域が共通しているため,合わせて生体医工学と呼ばれています。生体医工学は境界領域にある新しい学問で,様々な専門の人がそれぞれの個性を生かし,人類の福祉と幸福に貢献するための広大な学問領域です。福本研究室ではこの生体医工学に関する研究を行っています。
 現在の研究室員は教官3名,博士後期課程4名,修士課程11名,学部生4名,研究生3名の計25名で,主に4つのグループに分かれ,医師や看護師,診療放射線技師等の医療従事者の協力を得て,病院や福祉施設で計測・解析を行っています。<1>振戦グループは,三軸加速度計を用いて振戦を主症状とするパーキンソン病,本態性振戦疾患の診断支援を行うグループです。<2>痴呆グループは,対光縮瞳反射や眼球運動を計測してアルツハイマー型痴呆の診断支援を行うグループです。<3>細胞・免疫グループは,輸血後GVHD予防を目的とした紫外線照射システムの構築,ペルチェ素子を用いた冷凍手術装置の開発を行うグループです。<4>画像グループは,MR画像を用いた痴呆疾患診断支援システムの構築,胸部単純X線画像を用いた肺癌自動スクリーニングシステムの構築,乳房X線画像を用いた乳癌自動スクリーニングシステムの構築を行っているグループです。私は画像グループに属し,MR画像を用いたアルツハイマー型痴呆診断支援システムの構築に関する研究を行っています。アルツハイマー型痴呆患者は,記憶を司っている海馬という部位が特異的に萎縮するため,萎縮の割合や形状の変化を定量的に解析することで,アルツハイマー型痴呆の診断が可能になります。
 福本研究室では,新人歓迎会,花見会,研究室旅行,実務訓練壮行会,忘年会,追い出し会などが行われます。研究も勉強も遊びもキツイですが,楽しい良き仲間達と一緒に有意義な時間を過ごしてみませんか?

研究室旅行にて(筆者は上段左から2番目)
学会発表の様子