VOS,No.117

 副学長就任にあたって [Back]

「共に,技大の輝く未来を」
西 澤 良 之
副学長(教育担当)

 この4月から,副学長を勤めさせていただいています。4月5日,服部学長の入学式における訓示を伺っていて,私も「新入生」だという思いを新たにいたしました。「大都会の喧騒を離れ,緑豊かな自然の中に位置する長岡技術科学大学」にあって,建学の精神を踏まえつつ新しい時代の中で,技大の未来を切り開く意義ある仕事に全力で取り組みたいと思っています。

 私達に課せられた使命を考える時,何よりもまず,私達が置かれている「今」がどういう時代なのかを考えてみることが必要だと思っています。
 国立大学の一員として日々実感している「状況」から見れば,「大学設置基準の大綱化」からはじまり,「再編統合」,「設置形態の見直し」,「独立行政法人化」,そして「国立大学法人化」へと,事態はめまぐるしく変わってきています。
 そうした1つ1つの事態に的確に対応していくことは当然の責務ではありますけれど,技大の未来,そして技大が置かれている日本の世界の未来を考えることなしには,本当の意味での「事態」への対処にはならないと考えています。
 私は,今という時は,一つの時代から次の時代への「移行の時」ではないか,と考えています。1955年に始まった「戦後体制の時代」が終わり,新しい時代が生まれようとしている,そんな次の時代への準備期とでも言うべき「時」が今ではないかと思います。
 しばらく前に,元経済担当大臣で,作家の堺屋太一氏の講演を伺ったことがあります。その中で,氏は,日本の歴史は,基本的に大体50年を周期に変化しており,その周期の境目は動乱の時期となり,その動乱の中で次の時代が準備されるのだというお考えを,氏が脚本を書かれたNHKの大河ドラマ「豊臣秀吉」の時代を例にとって述べておられました。
 私は,歴史が専門ではないので,50年周期説の当否を論じようとは思いませんが,いわゆる戦後が,1951年のサンフランシスコ平和条約締結から始まると考えるにせよ,戦後政治体制の確立といわれる1955年と考えるにせよ,2003年の現時点はちょうど50年位経っていることは確かです。そして昨今の銀行の経営危機などを挙げるまでもなく,政治,経済,社会の全てが大きく変動しつつあることも,多くの人々が,漠然とした形であれ,一様に感じていることだと思います。
 そのような,移行の時,変化自体がその本質である今こそ,次の時代を大胆に構想し,その構図の中で,技大の将来設計図を描いていくことが,教職員,学生など全ての構成員に課された宿題ではないかと考えています。

 技大に来る前,4年間にわたって2002ワールドカップサッカー大会の準備・運営の任に当たってきました。あの6月30日,ドイツ・ブラジル戦のノーサイドのホイッスルが鳴った瞬間,競技場の空に270万羽を超える折鶴が舞い降りました。長い準備の期間の苦労が全て消え去り,歓喜の時を迎えたのです。
 技大でも,輝かしい未来を作り出し,喜びの時を迎えたいと思います。皆さんよろしくお願いします。