VOS,No.117

 副学長退任にあたって [Back]

副学長退任にあたって
井 上 明 俊
長野工業高等専門学校長
(前 副学長)

 平成13年4月から平成15年2月まで副学長として,長岡技大に御世話になりました。
 それ以前には,行政の立場から大学に関って来ましたが,実際に大学に勤務するのは初めてだったので,大変よい経験でした。いろいろと御指導いただいた教職員の方々には深く感謝しています。
 ちょうど国立大学の再編統合や法人化の問題が動き出した時期だったので,気分的には慌しい面がありましたが,大学全体として前向きに諸課題を議論しようという雰囲気があったので,大学の将来などを多くの先生方と話し合える機会に恵まれました。
 通常業務では,学生委員会などの委員長を担当しましたが,ただ例年どおりという審議にとどまらず,新しい提案がいくつかあり,関係の先生方には御苦労をかけました。私が心掛けたのは,議論すべき点は議論するが,その他の審議については出来るだけ効率的に行うということでした。先生方には,教育・研究に多くの時間を使っていただきたかったからで,管理的業務をどのように分担するかは,今後の大学の運営上,一つの課題だと思います。
 また,非常勤講師として講義を担当し,学生と直接に接することができたことは,興味深い,楽しいことでした。第1学期は200人近かったので,学生の能動的参加は少し無理でしたが,第2学期は50人程度だったので,なるべく学生から発表してもらうようにしました。迷惑がる学生もいましたが,社会人になる前に少しでも経験を積んでほしかったからです。学生による授業評価も刺激的でした。極端な意見は別にして,集まった意見を全体として,かつ,冷静にみると,ほぼ納得できるもので,授業に工夫を加えるヒントとなり,改善の意欲を湧かせてくれるものでした。
 平成14年度の新規事業である21世紀COEプログラムとして,小島教授がリーダーである「ハイブリッド超機能材料創成と国際拠点形成」が選定されたのは,技大の歴史に残る快挙と言えるのではないでしょうか。諸先生方の研究実績や研究能力が全国的に認められたことは,技大の将来に向け,明るい展望を開きました。
 さて,3月に,現在勤務している長野高専に赴任し,新しい仕事に戸惑いながらも,技大勤務の経験を生かして,頑張っています。学生数は約1000名ですが,大学と違って年令が若いので,学生生活や寮生活に関しては,かなり丁寧な指導が必要とされ,また,校長は130名の教職員の長として,相当細かいところまで情報を把握し,指示します。高専は本来,教育機関ですが,長野高専では,近年,地域産業界との連携協力に力を入れており,また,本年4月には専攻科が設置されるなど,新しい課題に取り組んでいます。
 諸状況が不透明な中で,技大も高専も将来に向けての発展を模索することとなります。今後,相互の人事交流や共同研究などを拡大する必要があると思われますが,それ以外にも様々な提案を,双方から積極的に示し合えればと思います。これまでの歴史や実績等を踏まえ,今後とも技大と高専との連携を大切にしていきたいと考えています。