VOS,No.117

 特集/知の創造の拠点として [Back]

テクノインキュベーションセンターの取組
長岡技大の産学連携は進化の真っ最中
小田原 勝夫
(NTIC 産学連携コーディネーター 客員教授)


 5月1日から5日間,万代島の朱鷺メッセの開設を記念して開催された「ゆめてく新潟」のシンポジウム「強い日本は甦るか!」において,唐津一先生が「日本はもの凄い勢いで変わり始めた!」とおっしゃっていました。「なるほど,そうだよなー」と改めて考えさせられた。「いっこうに変わらない日本」と思い込んでいた小生にとっては大きな力を与えられたような気分になった。
 この原稿を依頼されて,ここ1年の月報をチェックしてみた。自治体の各機関や異業種交流会,大学,企業等々からの様々な働きかけが増えたし,活発であったとつくづく思う。大学の外部環境が随分と変わったことによるものであろう。最近の状況を具体的にその傾向を含め列挙してみたい。
地域振興特別支援事業として,アドバイザーの先生方の御支援を頂き,「課題解決型産学連携」に取り組んでいるが,技術相談が月を追って確実に増加し,共同研究,新規事業に繋がり始めた。そして簡にして要をえた「長岡技術科学大学技術シーズ集」が活躍し始めた。課題解決型取り組みは大学発産業開発モデルを補完するものとなるであろう。
平山知事の初めての来学講演(5/30),5月から始めた(財)にいがた産業創造機構との定期連絡会,信濃川テクノポリスとの「第一回長岡技大技術シーズプレゼンテーション(6/28)」,新潟大学等も含めることになった「産学交流フェア(11/12・ハイブ長岡)」等,官学の連携がかなり前進しつつある。これらのことをより良き産学連携活動の基盤としたいものだと思う。
各地の異業種交流会,交流フェア,セミナー等から「長岡技大の産学連携を説明してほしい。」との申し入れが増え,積極的に引き受けて技術相談に繋がっている。産学連携に関して製造業に限らず金融,食品,建設等々他の産業界に広がりを示しているといえる。学際型研究開発体制の必要性を痛感する。
ある関東の大学に来た技術相談が,その大学で対応できず,全国の産学連携コーディネーターのネットワークに配信され,当大学の先生が持っておられる技術に適合し,現在詳細な打ち合わせに入っている。これは全国の大学のネットワーク活用による課題解決のはしりと考えて良い。全国の大学の産学連携コーディネーターの連携が進化することにより広大な全国ネットが出来上がるに違いない。長岡技大はその創学の理念に則り,実践的であるが故に,この領域でも活躍できると確信している。
TAMA産業活性化協会,浜松テクノポリス等から来学されたり,岩手ネットワークシステム(INS)の総会に新潟県から9名も参加したり,早稲田大学のインキュベーションマネージャーをお招きして講演をお願いしたり,1年前と比べると随分広域的な連携に向かっているものだと思う。今後もその傾向は続くであろう。
平山知事の講演風景
 産学連携の成果は急がれているが,一方,研究交流会の活性化,知的財産本部の設置,大学発起業の促進,情報システムの整備,等々山積した課題も考慮しつつ,体制を整備していくべきものと思う。その意味で長岡技大の産学連携は常に変化し続けていかなければならないし,そして進化中である。