VOS,No.118

 特集/工学を知ろう!技大を知ろう! [Back]

スーパーサイエンスハイスクール
理数科課題研究における大学との連携について
山 本 麻 希
(新潟県立長岡高等学校 教諭)
塩野谷研究室にて
 本校は昨年より3カ年間,スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け,理科数学教育に重点を置いた教育カリキュラムの研究開発を行っています。その一環として,理数科2年生を対象に1年間の課題研究を行っています。

 本田さんは,唾液中の化学物質の濃度をストレスの指標として生徒が日常の生活の中で感じているストレスを定量化したいと考えていました。生物系福本教授のご厚意で,化学物質計測の技術指導にご協力頂きました。最先端の技術を教えて頂くとともに,実験の合間に大学院生の生活の様子などを話して頂いたことから,生徒にとって非常に有意義な実験となりました。

 本間さんは,明治乳業が販売しているVAAMというアミノ酸飲料が人間の代謝に与える影響を調べたいと考えていました。体育・保健センターの塩野谷教授のご厚意で代謝測定実験の技術指導をして頂きました。本間さんは,スポーツ医学に興味を持っていたため,本格的な代謝計測器やエルゴメーターを用いた実験ができたこと,運動生理の仕組みについて教えて頂いたことをとても喜んでおり,将来の進路に役立てたいと話していました。

 貴学との連携により,高校の範囲を超えた高度な研究テーマを扱うことができましたことをこの場を借りて深く御礼申し上げます。


長岡高校理数科スーパーサイエンススクールSSH指導にあたって」
福 本 一 朗
(生物系 教授)
福本研佐藤院生と本田さん
左から長岡高校山本教諭,本田さん,福本,本学内山先生
 今年度長岡高校から依頼されたSSH課題は,ヒトの唾液中に分泌されるクロモグラニンA(CgA)という酵素を計測することにより精神疲労を客観的に測定するという興味深いものでした。実際の実験は理数科2年生の本田さんが一人で担当され,長岡高校授業の前後および定期テストの前後において生徒さん達から採取した唾液試料を,本学当研究室に持参し,佐藤英哉博士課程院生の指導の下で唾液サンプルのCgA定量を行うというものでした。当研究室での計測実験は高校の授業終了後に行っていたため,夕方から夜9時すぎまでかかることもありました。またどういうわけか実験は大雪の日によく当たり,遠い本学へ通っての実験は大変だったと思われます。しかし,長岡高校の山本教諭と本田さんは大変真剣に取り組まれ,最初は手元がおぼつかず見ていてハラハラさせられた実験手技も急速に向上し,最終的には何とか有為な結果に結び付けることが出来ました。6月28日に行われた発表会では,実験結果の統計的検討は少し甘いように感じられましたものの,研究内容・発表方法態度ともに合格点をあげられるハイレベルのものであり,もしかしたら本学での研究発表としてもそのまま通用するのではないかと感じました。これも先生の熱心なご指導,本田さんの誠実な研究態度,そして被験者となってくださった生徒さん達の真摯な協力によるものと感心させられました。優秀な理数科の生徒さん達こそ,是非とも本学に進学して欲しいものです。