VOS,No.119

 COE報告 [Back]

「ハイブリット超機能材料創成と国際拠点形成」
長岡技術科学大学・名古屋工業大学
21世紀COEプログラム合同国際シンポジウム
「長岡技術科学大学・名古屋工業大学
21世紀COEプログラム合同国際シンポジウム」
平成15年10月2日〜3日 会場:アイリス愛知(名古屋市)
拠点サブリ−ダ− 高 田 雅 介
(電気系 教授)

 文部科学省が平成14年度に選定した『21世紀COEプログラム』の「化学・材料科学分野」では,15大学の課題(21件)が採択され,長岡技術科学大学では『ハイブリッド超機能材料創成と国際拠点形成』が採択されました。この時のリーダーは小島陽機械系教授,サブリーダーは,西口郁三化学系教授と高田雅介電気系教授であり,事業推進担当者は合計17名でした(VOS No.114,117参照)。昨年9月16日,小島リーダーの学長就任に伴って,組織再編成を行い,新リーダーに西口教授が就任し,私と石ア幸三機械系教授,鎌土重晴機械系助教授の3名のサブリーダー,そして,新たに5名の若手教官を加えて,下に示す,合計22名で事業を推進していくことになりました。
 また,名古屋工業大学では『環境調和セラミックス科学の世界拠点』が採択されました。
 これらの課題が採択されたのは,「セラミックス」,「金属」,「有機材料」など産業活動の基幹となる材料科学・技術の分野において,世界をリードする研究成果を挙げてきた両大学の実績が認められたことによるものです。
 さて,COEプログラムが開始されて1年を経過した,平成15年10月2日〜3日に,材料科学・技術にかかわる上記の課題に関する研究成果を世に問うために,両大学が共同して,名古屋のアイリス愛知で国際シンポジウムを開催しました。
 国際シンポジウムを合同で開くことには多くの要因がありました。まず,両大学ともにセラミックスの研究者が多く,COEの核を形成(特に名工大はタイトルがセラミックスである)していること,名古屋にはセラミックス関係の企業と研究所が日本で一番多いことが挙げられます。また,名工大の柳田博明学長は高田の元指導教官であり,リーダーの野上正行教授は高田と同じ,米国RPIの友沢稔教授の研究室に留学していたことなどの人的ネットワークも挙げられます。さらに,シンポジウムの前日まで,名古屋国際会議場でPACRIM5(環太平洋セラミックス国際会議)が開かれ,組織委員として両大学のCOEメンバーが数名選ばれていたことなども挙げられます。
 さて,本シンポジウムでは,名工大野上リ−ダーの開会挨拶の後,小島学長のマグネシウム研究に関する特別講演で始まり,COEプログラムの実施担当者による研究発表のほかに,国外からは米国カリフォルニア大学Bruce Dunn教授,英国マンチェスター大学Robert Freer教授,RPI友沢教授,中国清華大学李健保教授,楊暁戦教授など,国内からは(株)INAX石田秀輝氏による招待講演などを含めて,19件の口頭発表と35件のポスター発表が行われました。西口リーダーの閉会挨拶でシンポジウムは無事終了しました。更に,これらの研究者との交流の場も設け,活発な議論が行われました。
 今後はそれぞれの大学が,さらに特徴を活かして研究・教育活動を展開していく所存でありますので,何とぞご支援のほどお願いいたします。

事業推進研究者及びテーマ
拠点リーダー  
西口 郁三 化学系教授 拠点形成計画総括、超分子型分子集合体の創製と高性能触媒およびデバイス機能の開発
拠点サブリーダー  
高田 雅介 電気系教授 光検知式水素センサーの開発
石ア 幸三 機械系教授 難研削材加工、高能率研削砥石の開発
鎌土 重晴 機械系助教授 マグネシウム合金のナノスケール組織制御および変形解析
拠点メンバー  
小島  陽 学長 マグネシウム合金の変形挙動の解析
丸山 久一 副学長 鉄筋コンクリート構造の力学特性および耐震性能の研究
五十野善信 化学系教授 高分子・ゴム材料非線形物性―評価、設計、開発
植松 敬三 化学系教授 高信頼材料製造における構造評価技術の開発
小松 高行 化学系教授 光機能ナノハイブリッド結晶ガラスの創製
斎藤 秀俊 化学系教授 セラミックス電子エミッター材料開発
武田 雅敏 機械系助教授 高エネルギービームによる薄膜・超微粒子作製と応用
野坂 芳雄 化学系教授 半導体光触媒の開発
松丸 幸司 機械系助手 非接触インプロセスドレッシング研削加工技術の開発
丸山 暉彦 環境・建設系教授 高機能(耐水・耐雪)道路構造設計
武藤 睦治 機械系教授 セラミックス金属間化合物の破壊および疲労
宮下 幸雄 機械系助手 レーザーによる異種金属接合法の開発
八井  浄 極限エネルギー密度工学研究センター教授 大強度パルスイオンビームによる薄膜・超微粒子作製と応用
末松 久幸 極限エネルギー密度工学研究センター助教授 パルスパワー技術を用いたしン発光材料探索
小野 浩司 電気系助教授 光機能性液晶の創製と新規光学デバイスの開発
木村 宗弘 電気系講師 液晶配向用有機薄膜材料によるナノグレーティング構造開発
小林 高臣 化学系助教授 ナノ反応場・環境を制御した機能性高分子材料の創製
南口  誠 機械系助教授 金属及び金属・セラミックス複合材料の高温耐環境性設計の確立

The 1st Workshop on Regional Network Formation for Enhancing Research and Education on Materials Engineering (第2回COEシンポジウム)
写真1
 
写真2
 
写真3
武 藤 睦 治
(機械系 教授)

 標記ワークショップが平成15年9月15,16日の2日間,ハノイで開催された。本ワークショップは,COEプログラム「ハイブリッド超機能材料創成と国際拠点形成」で謳っている国際拠点形成,すなわち国際ネットワークの構築を目指し,主としてベトナムを中心とした東南アジア諸国から代表的研究者を招待し,意見交換,研究発表を行なった。会場のBaoson Hotel の入り口には写真1のように大きな垂れ幕が設置された。
 まず,主催大学の本学学長服部賢先生の開催の挨拶(写真2)で始まった。服部先生は,15日まで学長で,16日には前学長という任期期限をまたいでのご参加で,この珍しい話は多くの参加者に受けていた。ワークショップは大きく分け,General sessionとTechnical sessionの二つのセッションからなり,General sessionでは,参加したインドネシア,マレーシア,フィリッピン,シンガポール,タイ,ベトナム,日本の各国における材料関連研究・教育の現状と,研究体制についての発表が行われた。引き続き将来のネットワーク形成に対する意見交換を行い,このワークショップを継続していくことについて各国の賛同が得られた。また,いずれの国もワークショップを開催してもよいという意見を持っていたが,国内での会議開催や準備期間との関連もあり,次回は平成16年8月にタイで開催することが了承された。Technical sessionでは,口頭発表15件およびポスター発表8件の,幅広い分野にまたがってはいたが,大変興味深い研究の成果が発表され,活発な討論が行われた。このTechnical sessionからは,お互いの研究を含めた交流・ネットワークの形成が,世界的にもトップレベルの活発な研究活動につながるとの実感を得ることができた。写真3は発表風景。
 このような国際会議は,研究発表や意見交換のみならず,人的交流も重要な部分である。本ワークショップでも,第1日目(15日)に会場となったホテルで,本学主催のバンケット,最終日(16日)にベトナムの伝統的なレストランで,ハノイ工科大学主催のお別れパーティが行われ,楽しい雰囲気の中で,参加者同志の交流が行われた。また,翌日の午前中には,ハノイ工科大学の見学会が行われ,今後の発展に対する意気込みを感じることができた。
 参加者は,インドネシアおよびフィリッピンから各1名,マレーシアおよびシンガポールから各2名,タイから3名,ベトナムからは初期登録者で12名(学生の参加もあり,実数は12名以上),日本から19名の総勢40名+αであった。
 終わりに,本ワークショップの準備・実行に当たっては,Long先生,Mai先生を始めハノイ工科大学の多くの方々の御協力を得た。改めて感謝したい。