VOS,No.120

 卒業修了特集/学長告辞 [Back]

果て知れぬ 英知の海へ
学長 小 島   陽

 

 卒業生・修了生の諸君,おめでとう。本日,ここに,平成15年度の卒業式・修了式を迎え,学士,修士そして博士の学位を得た諸君に心からお祝いを申し述べます。本日をもって大学を巣立ち実社会に出る諸君,修士課程・博士後期課程に進んでさらなる勉学に励もうとする諸君,いずれも人生における一つの段階を修め得た満足感と喜びがあると思います。また,諸君をこれまで育て,支えてこられたご家族のお喜びは推察に余りあるものがあります。
 留学生の諸君。故国を遠く離れ,言語・文化の異なるところでの生活,学習には大きな苦労があったことと思います。これらの諸君に敬意を表すとともに,さらに研鑚を積んで,それぞれの故国の発展に力を尽くすことを期待します。

 さて,いよいよ,旅だちの時となりました。大学歌にあるように 
     
     漕ぎ出せ 友よ
     果て知れぬ 英知の海へ
     大いなる 技術の海へ

 諸君の未来は,洋々たるものであり,諸君,自らが切り開いていくことができます。プラス思考で,新しい世界へ船出してください。諸君の行く手には,限りない可能性があることをしっかり認識し,大いにチャレンジし夢を実現してください。
 昨今の,エイズ問題,地球環境問題,企業コンプライアンスなどが示しているように,技術者も単に良い物を大量に安く生産することの手助けをしていれば済む時代ではありません。「志の高い技術者」であり続け,正しいことを口にし,実行することは,たいへんな勇気と努力が必要ですが,諸君個人の判断で善し悪しを判断し,行動できる人になってください。
 
 諸君は,大学で学んだことを基礎として,それぞれ自分の専門を確立,尖鋭化する必要がありますが,これからは,個人ではなく,よりグローバルな多くの人々との関わりで仕事をしなければなりません。
    
     心を強く,心を深く,心を広く,心を暖かく

してください。強い者には敢然と挑み,弱い者には分け隔てなく相手の立場となって接するようお願いします。


     野望のない若者は徳のない年寄りと
            同じくらい意味がない。
     若者は現状をぶち破れ。

 現代の若者は,「イマ」を「ラク」に過ごそうとしているという指摘があります。自分でコツコツ努力することができないばかりか,他人が努力することも含めて,地道な姿勢や生き方自体を本音で否定しようとする風潮があります。文句を言われず,テキトーにやれて,特殊な技術や知識を覚える必要もなく,時間的拘束もルーズなのがウザクなくて良い,のだといいます。これでよいのでしょうか。

 努力した者が適正に報われ,易きに流れる者は得るものが少ないという社会規範の定着が必要であると思います。成果を測る尺度は,努力,勤勉,責任感であり,体力や精神力の要素も大きいものです。温情や好悪の情を入れてはいけないと思います。

 諸君が,本学のVOS精神に則り,努力,勤勉,責任感をもった社会人となるであろうことは心配していません。

 最後に,もう一つお願いをしておきます。諸君は若い。これからの有り余る時間を単なる遊びに使うのではなく,時間を知識化してください。「知的生活ノススメ」,すなわち,右脳を生かした感性の光る思考をするようお願いします。インテリジェンスの能力を磨くよう心がけてください。世界,日本,諸君の所属する会社,小さくは,諸君が築く家庭の将来は,リーダーの知的能力いかんで決まると言えます。新しい文明を拓く技術の担い手として大成されることを祈念して祝辞といたします。