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平成23年度学部入学式・大学院入学式を行いました。

2011.4.6

 平成23年4月5日(火)に長岡市立劇場で平成23年度学部入学式並びに大学院入学式を行いました。

 式の冒頭で、このたびの東日本大震災と大津波で犠牲となられた方々への黙とうが捧げられました。

 学部入学者535名、大学院修士課程入学者403名、博士後期課程入学者24名、大学院専門職学位課程入学者13名が、新原学長より入学許可を受けました。
 引き続き、入学生を代表して学部第3学年生物機能工学課程の林美季さんが宣誓を行いました。

 学長告辞は次のとおりです。

 新入生の諸君、入学おめでとうございます。本日をもって諸君は長岡技術科学大学の一員となりました。教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。留学生の諸君、母国と異なる環境での生活、厳しい勉学・研究が続くと思いますが、本学の諸君への熱い支援を信じ、安心して頑張ってください。

 最初に、3月11日に東北太平洋沿岸沖を震源地とした一連の地震の犠牲になられた多くの方々のご冥福をお祈りし、また甚大な災害に遭われました方々に心よりお見舞いを申し上げます。本学の位置する新潟県の中越地区、この長岡でも二度の大きな震災を受けましたが、今回の地震は我々の想定を大きく超え、想像を絶するものでした。平穏に暮らしていた人達が、一瞬にして大事な家族、住み慣れた家屋を失うなど、この地震による災害は甚大で、また被災地において、不安で不自由な暮らしを余儀なくされている多くの方々のことを考えると胸が張り裂ける想いです。これ以上、被害が拡大しないことをお祈りするばかりですが、災害を被られた皆様のお役に立てることがあれば、私達の経験を生かし大学をあげて支援をしていきたいと考えています。

 長岡は、ここにきてようやく暖かい日差しが降り注ぐ季節となりました。厳しい冬を乗り越えた分、春の日差しは格別です。昨年のことになりますが、学生用の下宿やアパートを経営されている、近隣の下宿貸間組合の方々から、枝垂れ桜の苗木が約60本寄贈されました。これは留学生の諸君に日本の美しい桜を知ってもらうことと、本学が桜の名所になってもらいたいとの想いを込めたものです。この苗木は本学の入口や寄宿舎付近に植栽されています。私も組合長と記念植樹をさせていただきましたが、この桜が大きくなり、見事に咲く日を今から楽しみにしています。長岡市内には、悠久山公園を始め桜の名所が幾つかありますが、30年以上経過している本学の桜も立派です。昨年は、事務局前から学生食堂に至る桜並木を週末に歩行者専用として「技大桜散策祭」を初めて企画し、多くの市民の方々に本学の桜をご堪能いただきました。本年も今月中旬に企画しますので、楽しみにしていてください。

 本学は「技術科学」すなわち〝技学〟の創出とそれを担う実践的で創造的な指導的技術者の養成を行い、またこれらを通じて社会との連携を図ることを基本理念とし、昭和51年(34年前)に開学しました。それ以来、約2万人余りの卒業生・修了生を輩出していますが、そのほとんどが全国の高等専門学校(高専)ならびに専門高校からの進学者であるという、他大学に無い明確な特長を持った大学でもあります。

 諸君もそうであるように、本学に入学してくる学生は、中学校を卒業する時点で技術科学、即ち〝技学〟の世界で生きるという明確な目的意識を持ち、高専や専門高校で切磋琢磨して「ものづくり」の感性を体に染み込ませて入学してきます。本学は、諸君のような技学の感性に優れた学生を大学院までシームレスに教育することによって、戦略的に技学のトップランナーを輩出するという、世界に類を見ない我が国独自の学部・大学院一貫教育システムに基づき、他大学の通常の教育システムでは出来ない先取性の高い教育プログラムを実践しながら、同時に世界レベルの卓越した研究成果を発信し続けています。これらは世界の高等教育研究機関の規範になるもので、様々な機関並びに産業界から高い評価を得ています。諸君が、プライドを持って他大学に無い本学の特長ある教育研究プログラムを享受し、自分の可能性を信じ、多岐にわたる未知の分野に勇気を持って積極的にチャレンジし、自分の限界を突破し、未来への夢を育むことを期待します。

 ご存じのとおり本学では、大学院に進学する学部4年生全員を、4ヶ月から5ヶ月間の長期にわたり著名な国内外の研究機関や企業等に派遣する、長期インターンシップ(本学では実務訓練と呼んでいます)を開学当初から実行しています。このような長期にわたる実践的な教育プログラムは他大学にはない本学特有のものです。先生方の尽力により、海外にも多くの訓練先が開拓されており、昨年は15%以上の学生が海外で実務訓練を受けています。また、本学は300名以上の留学生を受け入れています。その数は全学生数の約13%以上で、他大学の5%前後の比率に比べると非常に高く、本学では大学に居ながらにして国際交流ができます。このような特長を生かし、日本人学生諸君が留学生と積極的に交流すること、また、実務訓練で海外に長期に滞在することなどを通じ、グローバル社会に対応していくための基礎を在学中に積極的に創り上げてもらいたいと思います。

 また、本学は全国立大学の中で毎年1位か2位の就職率を維持しています。この高い就職率を維持している理由は、本学の特長ある前述の教育プログラム、「中学卒業から“ものづくりDNA”を育んだ学生を受け入れ、大学院までの一貫教育によって“技術科学(技学)”を担う実践的にグローバルに活躍できる指導的技術者を育成するプログラム」と「企業との積極的な産学連携制度」並びに「国内外の研究機関や企業に長期に学生を派遣する実務訓練プログラム」に主に起因していると考えられ、社会から受ける本学の評価の高さを証明するものです。

 私どもは、常に世界の動向、また、社会経済情勢を意識しながら、10年から30年先を見据えて常に変化し続ける必要があります。このためには、現状に満足することなく常に未来を視た改革を目指して、新たな展開を図っていかなくてはなりません。この改革を達成するために、学内に総合戦略室を設置し、本学の将来戦略、連携戦略、情報化戦略、国際戦略、教育戦略、広報戦略の分野に分かれて議論を重ね、この3月末に中長期成長戦略案としまとめ、4月1日に学内で発表しました。今後はこの戦略案に沿って実行するアクションプランを詰めていく予定です。その中には、諸君が在学中に動き始めるものも有りますので期待して下さい。

 本学には、初代学長の川上先生が提唱なされた「V・O・S」という言葉があります。V:Vitality(活力)、O:Originality(独創力)、S:Services(世のための奉仕)。そして、長岡の人々には「義と愛」の優しさ、二度の大きな地震にもめげない逞しい精神力が浸透しています。諸君は、この長岡の人々にも支援され楽しい学生生活を送ることになりますが、中には今日から始まる新しい生活を不安に思う人もいるかも知れません。私ども教職員は、諸君の生活、勉学、研究に最大限の支援をします。新しい友とのキャンパスライフ、そして、ご家族から離れての長岡での生活が、充実した日々となることを祈ります。

 最後に、諸君と今回の未曾有の災害に関して切り口を変えて考えてみたいと思います。今回の巨大な地震と津波による被害は確かに想像を絶するものでした。しかし、この未曽有の災害の詳細が世界にトップニュースとして配信されるにつれ、日本人の精神力、道徳性、秩序力、我慢力、冷静な行動、そして思いやりの心は、世界中から賞賛を受けています。また、今回と同じレベルの地震や津波が日本以外の国で、例えば自国で発生したら〝もっと酷い災害になった筈″と、日本の技術力の確かさが注目され、世界の76%以上の人々が、日本は素早く復興すると予測しています。私は、この世界から注目されている日本の高い技術力への本学の、そして諸君の先輩の貢献は大きいと認識しています。諸君は、先輩方が努力し創り上げてきた、世界が注目している日本の高度な技術力を尚一層確かな物にする為に、今まで以上に努力する義務が有ると私は思います。諸君が、学生として、今何ができるか、何をすべきかを常に考え、日本の新たな未来に向けて夢と勇気を持って、一歩も退くことなく前進し、日本の新しい未来の扉を開けるべく努力されることを強く期待します。

 大学は常に学生の未来の成長を夢見ています。本学は、学生諸君が夢ある未来を創造することを限りなく支援することを約束します。
 本日は、入学おめでとうございます。