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平成23年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

2012.03.29

 平成24年3月26日(月)に長岡市立劇場で平成23年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。
 今年度の学部卒業者は471名、大学院修士課程修了者は395名、専門職学位課程修了者は12名、博士後期課程修了者は13名、論文博士を授与された者は2名でした。
 また、学生表彰が行われ、学業・研究活動においては28名に、課外活動・社会活動においては1団体に新原学長より賞状及び記念品が手渡されました。

 学長告辞は次のとおりです。

 平成23年度長岡技術科学大学の卒業式・修了式を挙行するにあたり、ご多忙中にもかかわらずご臨席いただいている来賓の皆様にお礼を申し上げます。特に、メキシコのモントレイ大学から参加いただいているコルテツ先生には、特別な感謝の意を表したいと思います。
 本日、ここに平成23年度の卒業式、修了式を迎え、学士、修士そして博士の学位を獲得する諸君に心からお祝いの言葉を送ります。また、今日まで学生諸君を長年にわたり慈しみ育ててこられた保護者の皆様には、お礼とともにお祝いを申し上げます。加えて、この日を迎えるにおいて日夜努力いただいた教職員の皆様にも深くお礼を申し上げます。
 留学生諸君は、家族と遠く離れ、言葉も習慣や文化も、そして気候も大きく異なるこの長岡の地における生活・勉学・研究と今まで経験したことのない苦労があったと思います。この環境の変化を力強く乗り越えた諸君の長きにわたる努力とチャレンジ精神に敬意を表します。
 長岡技術科学大学は、「技術科学」すなわち“技学”の創出とそれを担う実践的で創造的な技術者の養成を行い、またこれらを通じて当時としては画期的であった産官学連携を積極的に図ることを目標とし、1976年、36年前に開学しました。この間約3万人近い卒業生・修了生を輩出しておりますが、そのほとんどが全国の高専ならびに専門高校からの入学生であるという明確な指向性を有した大学でもあります。本日卒業式・修了式を迎えた諸君のほとんどは、中学校を卒業する時点で「技学の世界で生きる」という目的意識を持ち、高専や専門高校での勉学を通し、中学卒業から切磋琢磨して“ものづくりDNA”を育んで、本学に入学してきました。そして本学は、世界に類を見ない本学独自の9年から12年に及ぶ高専・専門学校・学部・大学院と続く一貫教育研究スキームにより初めて可能になる、国内外の企業と協働した5~6ヶ月に及ぶ長期のインターンシップ、本学ではこの制度を実務訓練と呼んでいますが、本日大学院を修了する、或いは、4月に大学院に入学する諸君は、全員この実務訓練に参加した筈です。この先取性の高い一般大学では不可能な教育プログラムの実践により本学は全国立大学の中で常にトップの就職率を維持しています。

 諸君は、一般大学では不可能な実践的で豊かな創造力を育む、長期の教育システムで学び、研究したことを終生の誇りとし、特に本学独自の実務訓練に参加したことを誇りとし、前へ前へと進み活躍し、本学の宝の一人になってください。そして、本学を支える一員にもなっていただきたく思います。

 数年前から、世界のどの国も経験した事のない少子高齢化、グローバル化、産業構造や雇用形態の変化により、日本の大学はこの急激な社会変遷に対応する変革が強く要請されています。また、国立大学の法人化を端緒として、産学連携や実践的教育の取り組みが他大学にも浸透するなど、大学の機能強化の競争激化も同時に進行しています。この社会情勢の急激な変化に確実に対応する為には、本学は開学以来持ち続ける他大学に無い特長をさらに発展させ、長期に悠々と活躍できる人材の育成と、「ものづくり」の礎となる技学を新たな時代に対応する形へ深化させることによって更なる成長を遂げる必要があります。加えて、昨年3月11日に発生した未曾有の大震災からの復旧・復興に力強く貢献することも考える必要が有ります。このような社会の要請に応える為に、本学は昨年8月に「長岡技術科学大学 中長期成長戦略」とそれを着実に実行する為の「アクションプラン」を策定しました。

 この社会の要求を鋭敏に察知した「長岡技術科学大学 中長期成長戦略」は、新たに掲げた本学のビジョン「社会の変化を先取りする“技学”を深化させ続け、未来社会で持続的に貢献する実践的で創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指します」を確実にスピーディーに実現する為のもので、諸君が既に知っているように、6つの戦略から構成されています。まだ読んでない方がいたら、本学のHPにアップしていますのでその内容を確認いただきたいと思います。

 本学は、この中長期成長戦略に則り、現代の激しい技術革新の中で日本のみでなく諸外国をリードし、世界中の人々から「尊敬され、なくてはならなり大学」として認識される大学となるべく、更には本学の変革が日本の産業構造の変革の切掛けになることをも期待し、5年先、10年先、20年先、30年先を見据えて動き始めています。

 本日本学の学部を卒業し、また大学院修士課程と博士課程を修了して社会に巣立って行かれる諸君は、私たちが進むべき道を迷わないためにも、外から本学の変革と活躍を見つめ必要な時には意見をしてくださることを約束して頂きたく思います。
 諸君は、本学在学中に記憶に残る多くの事を経験されたと思います。その中で、諸君が一生忘れ難い出来事は、昨年3月11日に発生し未曽有の被害をもたらした東日本大震災だと思います。マグ二チュード9の大地震と巨大な津波により、2万人に近い方々の尊い命と、数十万の人々の財産と生活が一瞬に奪われました。また、この巨大な津波により引き起こされた福島原発事故の被災地区では、未だに故郷に帰れない多くの方々がおられます。本学では、震災直後に東日本大震災対策本部を設置し、本学として成し遂げなければならない、出来る限りの支援活動を行いましたが、今後も被災地の一日も早い復旧・復興のため、本学として行える支援活動を継続していく決意です。

 この世界を震撼させた大震災から私たちは何を学び、何を得たのでしょうか。日本人の強い絆と連帯意識、加えて日本人の逆境に立向かう力強さが世界中で再認識されました。しかし、一年たっても被災地域の復旧・復興、ガレキ処理は遅々と進まず、多くの解決すべき課題が残されています。諸君は、この多くの課題の解決において自分は何ができるかを深く考え、日本人として、日本でこの大災害を経験した者として、また社会に出てグローバルに持続的に活躍することが求められているタフな指導的技術者として、また未来の扉を切り拓くことを目指して大学院修士課程へ、また博士課程へ進学する者として、各自が自分の責務を自覚し、それを果たさなければなりません。

 この大震災と原発事故等に絡んで、日本の技術への信頼性が失われたとの報道が良くなされています。しかし、一年が過ぎて日本以外の多くの国々では、「高い技術を持つ日本だからこそ最小限の被害で済むことができた」、「自分の国であったらもっと酷い惨事になっていた筈」と、逆に日本の技術力が改めて見直されています。日本の高い技術力の世界的規模での再認識は、平成16年に生じた中越地震における新幹線の脱線事故、平成18年に生じた中越沖地震における柏崎刈羽原発周辺で生じた問題に関しても、一年後に沸き起こりました。諸君は、これらの状況を正しく判断する必要が有ります。日本の技術力が、特に日本の「ものづくり」技術への信頼性が失われたわけでは決してないことを心に刻み付け、本学で学んだこと、今後学ぶことに自信と誇りを持って未来の扉を切り拓くべく力強い活動を展開して下さい。

 我が日本は、現在直面している様々な問題の解決、そして東日本大震災からの復旧・復興を短時間に成し遂げ、世界中の人々に夢と希望を与える、第2世界大戦後の日本の奇跡的な復旧・復活に続く2回目の日本の奇跡を世界中の人々に示す必要が有ります。この2回目の日本の奇跡の実現に於いて、諸君は多大な貢献をする実力を育んでいる筈です。私は学長として、日本の産業構造変革の切掛けとなると信じる「長岡技術科学大学 中長期成長戦略」を着実にスピーディに実現することを誓います。一緒の二回目の日本の奇跡を実現しようでは有りませんか。

 最後に、諸君が今後必ず必要とする世界的規模の人的ネットワークの構築に関する私の信条を紹介させて下さい。大学は常に未来を視ており、大学での教育の目的は、学生諸君が卒業後も自己の無限の可能性を信じ、夢と希望とチャレンジ精神を持って、持続的に活躍・発展し、社会の中心となる20~30年後に、各人が自分の能力を最大限に開花させる為の基礎を創り上げるのを支援する事に有ります。皆さんが努力して学び創り上げてきた、この基礎を真に実のあるものとするために、今後も常に先の先を視る努力を継続する必要が有ります。先の先を見る為には、即ち、加速度的に変化する未来社会で悠々と生きていくためには、日頃からの努力に加え、自分を取り巻く全ての人を愛し嫌いにならない志が重要です。人を嫌いになることは、本来その人から得られる筈の有益な情報や意見を自分から捨て去ることを意味するからです。全ての人を好きになり、嫌いな人を作らない姿勢は、一緒に歩み努力できる大きな世界的規模の人的ネットワークを創ることに繋がります。

 加えて、難問にチャレンジし成功を収める為に必要と信じている私の信条を紹介します。人の成果を妬むことなく、人の素晴らしい結果は率直に認めて賞賛し、自分は自分の道を歩むことが必要です。人と同じことをしては駄目です。また自分の無限の可能性を信じ、思い込みで設定してしまう自分の限界を突破する努力が必要です。人間には限界はありません。自己の目標を考える時には、自分の損得のみではなく、諦めようとする気を起さないためにも、より次元の高い目標を設定すべきです。ただし、大きな目標を掲げても、日々の活動では、地味で単純な活動を繰り返さなければなりません。自分の夢と現実の間に大きなギャップが生じ、思い悩むことがあると思いますが、その時は成功するまで決して諦めず、何回でもチャレンジする志が必要です。執念で努力を続けることによって、初めてすばらしい結果を得ることができます。それでも問題解決ができない時には、素直に何度でも問題に向き合い、苦しみ抜いて、その問題を潜在意識に浸透させ、その解決法が思いもしない時に閃くように潜在意識下で考え続けることが必要です。私の経験によると、夜通し仕事をし“ぼんやり”している時に、10年以上も考え続けた難しい問題を解決するアイディアが閃めくことがあります。友人や先生方に率直に相談することも大切です。大学で一緒に苦労した友達は勿論のこと、先生方も卒業・修了後も諸君の事を何時も見守っています。この様な姿勢で常に前に進むことにより、諸君は“かけがえのない、尊敬される人”に成長すると私は信じます。

 本日は、卒業そして修了おめでとうございます。