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平成24年度学部入学式並びに大学院入学式を行いました。

2012.04.10

 平成24年4月5日(木)に長岡市立劇場で平成24年度学部入学式並びに大学院入学式を行いました。
 学部入学者471名、大学院修士課程入学者453名、博士後期課程入学者35名、大学院専門職学位課程入学者15名が、新原学長より入学許可を受けました。
 引き続き、入学生を代表して学部第3学年環境システム工学課程の石崎諒さんが宣誓を行いました。

 学長告辞は次のとおりです。

 新入生の諸君、ご入学おめでとうございます。本日ここに 974名の新入生を迎え入学式を挙行することができ、心よりお祝い申し上げます。特に留学生の諸君は、遠い祖国のご家族から離れ、ここ長岡の地に良く来てくれました。今日から始まる長岡での生活、勉強、研究、そして日本文化。時には厳しい試練に直面することがあるかもしれませんが、大学は皆様を全力で支援しますので、安心して頑張ってください。決して一人ではありません。

   私どもの想像を超す未曾有の被害をもたらした、東日本大震災から1年が過ぎました。この大震災は、多くの尊い命と生活を奪いました。復興には、まだ相当な時間がかかるかとは思いますが、早く、元のような生活ができるよう、私たちもできる支援を今後も続けていきたいと思っております。
 この長岡も平成16年と18年に2度の大きな地震がありました。震災直後から多くの暖かい支援をいただき、驚くほど早く復興することができました。それは市民の復興への強い意思と復興を力強く支援する多くの人々との熱い絆がもたらしたものと思います。今回入学した諸君の中にも、被災地の出身の方がおられると思います。大学では、あらゆる支援を今後も続けてまいりますので、何か困ったことがありましたら、気軽にご相談ください。
 ここ新潟県は日本の中でも、四季がはっきりしていると言われています。長岡は、四方を山に囲まれた地形からも想像できるように、夏は暑く、冬は雪が多い地域として知られています。近年は小雪でしたが、この冬は大雪に見舞われ、大学近辺では2mを越えておりました。
 今、4月を迎え、長岡もようやく暖かい日差しが降り注ぐ季節になりました。しばらくすると大学の構内の桜の花が満開になることでしょう。大学では「技大桜散策祭」を開催する計画がありますので、楽しみにしていてください。長岡市内には、悠久山公園をはじめ桜の名所が幾つかございますが、本学の桜も実に見事です。
 長岡技術科学大学は、「技術科学」即ち「技学」の創出とそれを担う実践的で創造的な技術者の養成を行い、またこれらを通じて当時は画期的であった企業との連携を積極的に推進することを目標とし、36年前に開学しました。本学は、この間約3万人近い卒業生・修了生を輩出しておりますが、そのほとんどが全国の高専ならびに専門高校からの入学生であると言う、一般大学にはない明確な特長を持つ大学でもあります。本日入学式を迎えた諸君のほとんどは、中学校を卒業する時点で「技学の世界で生きる」という明確な目的意識を持ち、高専や専門高校での勉学を通し切磋琢磨して「ものづくりDNA」を育んで、本学に入学してきました。諸君は、今日から学部1年への入学、または3年への編入によって、大学院修士課程・博士課程へと続く、9年から12年に及ぶ長期の一貫教育研究体系により初めて可能になる、本学独自のプログラムに基づいて学び、研究することになります。
 諸君には、プライドを持って他大学に無い本学の特長ある教育研究プログラムを享受し、自分の可能性を信じ、多岐にわたる未知の分野に勇気と自信と誇りを持って積極的にチャレンジしていただきたい。そして、自分の限界を突破し、希望と夢を持っての努力により未来への扉を拓き、多くの人に尊敬される「かけがえ」のない人に成長し、我が国の科学技術の進展に貢献する人材となることを期待しています。

 大学は常に未来を視ています。大学教育の主な目的は、学生諸君が卒業後も自己の無限の可能性を信じ、夢と希望とチャレンジ精神を持って持続的に活躍・発展し、社会の中心となる20~30年後に、その能力を最大限に開花させる為の基礎を創り上げることに有ります。大学における研究・社会貢献・国際貢献に関しても、同じように未来を見据えた戦略を持つ必要が有ります。

 このような大学の使命を着実に果たすために、本学は昨年8月“長岡技術科学大学中長期成長戦略”とそれを着実に実行するための“アクションプラン”を策定いたしました。これらは、本学の理念である「社会の変化を先取りする“技学”を深化させ、未来社会で持続的に貢献する実践的・創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指す」を着実に実行する為のものです。この中長期成長戦略に則り、本学は、現代の激しい技術革新の中で日本のみではなく諸外国をリードしていく為に、世界の動向を敏感に察知しながら10年先、20年先、30年先を見据えて動き始めています。諸君も今日から大学の一員です。諸君と一緒に、6つの戦略から構成されている「中長期成長戦略」の早期の実現を目指していきたいと思います。

 この「中長期成長戦略」の一環として、今年度から大学院修士課程に原子力システム安全工学専攻がスタートします。この原子力システム安全工学専攻の設置においては、国内の原子力関係機関で活躍している技術者の高齢化による後継者不足の解消と世界標準のシステム安全工学を習得した原子力工学人材の育成が不可欠であること等を掲げ、新潟県内の各自治体と商工会議所等の支援の下、2年前から準備してきました。しかし、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故は、日本の長期エネルギー政策における原子力発電の位置づけを見直す議論を提起しました。この専攻の設置につきましては、かなり思案しましたが、あえて今だからこそ、本学だからこそ、安全工学を理解した原子力技術者を養成しなければならないと確信し、文部科学省の大学設置審議会に設置申請しました。ご理解いただくまでには、相当な時間を費やしました。

 今日15名が原子力システム安全工学専攻に入学しますが、諸君がこの専攻で必要な知識と技術を習得することを待ち望んでいる企業が幾つも有ります。2年間しっかりと学び研究し、世界に羽ばたく指導的技術者に成長される事を期待します。また、この厳しい時期に本学が原子力システム安全工学専攻を設置したこと、及び、今日諸君がこの専攻に入学した動機とチャレンジ精神は、将来、諸君が夢と誇りを持って世界中で活躍されると、私は信じています。

   本学では、開学当初から学部4年生を国内外の企業や研究機関に4ヶ月から6ヶ月間にわたり派遣する長期インターンシップを実施しています。本学ではこの制度を実務訓練と言っていますが、この実務訓練を教育プログラムの一環として実施しています。本学では、海外にも多くの訓練先を先生方が開拓しており、年々海外の企業等で実務訓練を行う学生が増えており、昨年度は全学生の約15%が英国・ドイツ・米国・東南アジア・メキシコ等での実務訓練に参加しました。この企業等と協働した長期のインターンシップ制度は、一般大学では不可能な制度で、本学の自由度の高い学部-大学院一貫教育研究スキームにより初めて可能になるものです。

 本学は国立大学の中で常にトップの就職率を維持しています。この高い就職率の維持は、本学の特長ある前述の教育プログラム、「中学卒業から〝ものづくりDNA”を育んだ学生を受け入れ、大学院までの一貫教育によって〝技術科学(技学)”を担う実践的にグローバルに活躍できる指導的技術者を育成するプログラム」と「企業との積極的な産学連携制度」に加え、この「国内外の研究機関や企業に長期に学生を派遣する実務訓練プログラム」によるものと理解しており、社会から受ける本学の評価の高さを証明するものです。学部1年生、3年生に入学した学生諸君は、本学独自のプログラム、並びに、一般大学では不可能な長期の実務訓練を4年の後半に享受し、実践的で想像力豊かな指導的な技術者に成長される事を期待します。

 なお、大学院の学生、特に博士課程の諸君には、在学中に全員を海外に派遣するカリキュラムを検討していますので、チャンスが巡って来た時には、積極的に参加し、海外の現状をしっかり学んで下さい。また、海外から日本を見て、日本がこれから何をすべきかを考える機会としてください。

本学では300名近くの留学生が勉学に励んでいます。その比率は全学生の約13%になります。一般大学では5%前後の比率ですので、本学には如何に留学生が多いかお分かりいただけると思います。日本人学生諸君は積極的に留学生と交流してください。留学生との交流は学内における国際交流と言っても過言ではありません。異なる文化を理解し、自分と違う価値観を受け入れ、深い交流を行っていくうちに自然とグローバル感覚を身につけた国際社会で活躍できる指導的な高度技術者になれるはずです。

   世界は今まで人類が経験したことのないスピードで変化しています。日本産業の根幹である“ものづくり”において、日本がこれまで通り世界のトップの地位を維持するために、未来を創造する役割を担っている大学、特に「技学」の分野で世界をリードしている長岡技大は、ものづくり技学イノベーションにおいて中心的な役割を担っていかなくてはいけません。その核となるのは“日本の宝”である君たち若い学生諸君であると宣言し、私の祝辞とします。