新着情報

平成25年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

2014.03.25

 平成26年3月25日(火)に長岡市立劇場で平成25年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

 今年度の学部卒業者は437名、大学院修士課程修了者は401名、専門職学位課程修了者は14名、博士後期課程修了者は16名でした。

 また、学生表彰が行われ、学業・研究活動においては22名に、課外活動・社会活動等においては3団体4名に新原学長より賞状及び記念品が手渡されました。

 学長告辞は次のとおりです。


 【学長告辞】

 寒さ厳しい冬が過ぎ、春の息吹を感じる、この良き日に、遠いメキシコの大学からのお二人のご来賓に加え、多くの皆様にご来賓としてご臨席を賜り、長岡技術科学大学平成25年度学部卒業式及び大学院修了式を挙行できますことは、私どもにとりまして、この上ない大きな喜びでございます。学長として心より感謝申し上げます。また、多くの保護者の皆さまのご列席を賜り、供に祝福できますことを喜ぶとともに、保護者の皆さまの長きにわたる、ご労苦と深い愛情に敬意と謝意を表します。


 本日卒業式、修了式を迎え、学士の学位を授与された437名、修士の学位を授与された401名、専門職修士の学位を授与された14名、そして博士の学位を授与された18名、合計870名の諸君に心からお祝いの言葉を送ります。また、留学生諸君は、家族と遠く離れ、言葉も習慣や文化も、そして気候も大きく異なるこの長岡の地における生活・勉学・研究において、今までにない苦労を経験したことと思います。この環境の変化を力強く乗り越えた諸君の長きにわたる努力とチャレンジ精神に敬意を表します。


 本日卒業及び修了を迎えた諸君のほとんどは、中学校を卒業する15才の時点で「技術科学、即ち技学の世界で生きる」という明確な目的意識を持ち、高専や専門高校での勉学を通して切磋琢磨し、「ものづくりDNA」を育んで、本学に入学してきました。そして、世界に類を見ない、本学独自の高専・専門学校、そして本学の学部・大学院と続く9年から12年に及ぶ長期の一貫教育研究スキームにより初めて可能になる、国内外の企業と協働した、5~6ヶ月に及ぶ実務訓練に参加し、内15%の諸君は海外の企業等でこの訓練を受け、大きな成果を得た経験を持っている筈です。


 諸君は、この様な、一般大学では難しい実践的で豊かな創造力を育む、本学の特長ある長期の教育研究システムの下に学び、研究したことを終生の誇りとし、社会に出ても、また大学院に進学しても、自信を持って、大きな夢と希望に向って、自分の限界にチャレンンジし続け、日本の、世界の宝になってください。そして、本学を支える一員になって頂きたく思います。日本の未来を創り上げるのは諸君です。


 さて、現在の日本社会は、諸君が良く理解しているように、未曾有の国難とも言える東日本大震災からの復旧・復興、急激な少子高齢化の進行、グローバル化による競争の激化、環境・エネルギー問題、産業の空洞化、地域コミュニティの衰退などの大きな課題にさらされています。大学に要求される内容も日々高度化し、大学力が国力であるとの言葉まで発せられるようになり、国民からは大きな期待が大学に寄せられています。この大学を取り巻く環境変化に確実に対応する為には、本学は、開学以来維持し続けてきた長期に活躍できる実践的な人材の育成と、「ものづくり」の礎となる技学の新たな時代への深化を同時に実行し、更なる成長を遂げる必要があります。


 このような状況の下、本学は2年半前の平成23年8月に、「社会の変化を先取りする“技学”を創成し、未来社会で持続的に貢献する実践的・創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指す」、を新しい理念と決め、5年先、10年先、そして20年から30年先を見据えた「中長期成長戦略」と、それを実行する為の「アクションプラン」を策定し、着実に実行してきました。


 この中長期を見据えた活動は、諸君の本学での活躍とともに進められ、既に大きな成果が上がりつつあります。具体的には、①課外活動に参加する学生数がこの4年間で約1.6倍に増加、②国内国外での学術会議等での学生の受賞件数が大幅に増加、③研究のレベルを示す学術論文の引用件数において、材料科学分野が世界の全大学の31番目に、自動制御システム分野が世界の160番目にランクされた、④企業との共同研究が活発になり、研究者数を考慮するとその数は全大学の中で1位、金額では東大と京大に続く3位、⑤若手研究者のNEDOプロジェクト獲得数においては全大学の中で1位、⑥学部及び大学院の就職率は常に全大学のトップクラス、⑦留学生比率は全国立大学平均の約3倍で、約7人に1人が留学生、等がその例です。


 諸君は、このように様々な取組が進められ、大きな成果が得られている中で学び、研究してきたのです。是非、本学で学び研究したことに誇りを持ってください。なお、このような大きな成果は、長期のビジョンを見据えて努力していくことにより生まれてきたものです。


 この中長期成長戦略とも関連し、学生諸君が生き生きと活躍できる新しいキャンパスを構築するために必要な環境整備や、本学の機能の更なる高度化を目指すための新しいプロジェクトの立案・獲得を目指してきました。2年前の12月に新しい政権が誕生した事とも関係し、また本学教職員の多大な努力により、平成25年度には、機械建設1号棟の耐震改修、平成24月にスタートした原子力安全系を主対象とする総合教育研究棟の新設と高性能の加速器の設置が認められました。また、26年度には電気系建物の耐震改修工事が予定されています。


 教育研究プロジェクトにおいては、本学が密接な関係を構築してきた高専機構及び豊橋技大と連携した教育改革プロジェクト、即ち「世界で活躍し,イノベーションを起こす実践的技術者の育成」を目指す6年間の大型プロジェクトの獲得にも成功しました。この三機関協働プロジェクトにより、本学に産学官融合の為の技学教育と技学を基礎にしてイノベーションの湧出を目指す「技学イノベーション推進センター」が昨年9月に設立され、今や5分野において450件以上の共同研究が、2000名以上の学生及び先生方の連携・協働でスタートしました。これまでにない、高度で、力強く、タフで、自立型の大学を目指す、この新しい大型プロジェクトは必ず成功させますので、熱い支援をお願いします。


 日本人は一般的に我慢強く、相手への思いやりに富んでいます。人を傷つけるなら自分が耐えればよい、そんな気質も持っています。このような気質は、東日本大震災直後には、日本人の強い絆と連帯意識、逆境に立向かう力強さとして表れ、世界中から賞賛を受けました。一方、日本人のこの気質は、本音を言って相手とギクシャクするより、議論しない方を選ぶことに繋がることもあります。グローバル化した現代社会、即ち、A Winner Takes Allで表される、勝ち組が全てとるデジタル社会においては、生きた情報を素早く適格に収集し、未来に対する明確なビジョンを、多くの人々と意見交換しながら素早く構築し、それを先取り型の行動・活動に繋げることが強く求められます。


 その為には、多くの人々とコミュニケートし、常に自分の意見を率直に相手に伝えて議論し、その議論を通して相手の反論が妥当であると思われる場合は、その反論を取り込んだ形のビジョンを再構築することが必要になります。日本人の素晴らしい気質、即ちアナログ的な気質を捨て去ることを勧めている訳ではありません。日本人の素晴らしい気質を維持しながら、多くの人々とコミュニケートする必要が有り、それを可能にする努力が必要であると主張しています。


 私ごとになりますが、欧米流のデジタル思想に染まり、日本的なアナログ思想を捨て去った活動の結果として、約30年前の43歳の時に引き起こした大きな失敗を契機にして、私は「今後は人を絶対に嫌いにならない、全ての人を好きになる」と決意しました。この決意を守り続けることにより、数年以内に国内外の数多くの人々と信頼関係を壊すことなく、真に率直な議論が出来る大きな国際的ネットワークを創り上げることが出来ました。


 何が起こるか予想することが難しい現代においては、先ほど述べましたように、未来を視た先取り型のビジョンの構築とそれに基づく行動・活動が、特に重要になります。それを実行するにおいては、例えば、明治から大正時代に活躍された長岡の教育哲学者、野本恭八郎先生の独尊と互尊の考え方に従って活動する、即ち、「人は個々に異なる考え方を持っていることを認め、それを尊重しながら、異なる考え方を持つ人々と積極的に接触し、心を通わせながら議論する、ことも必要になると思われます。お互いに心を通わせながらの熱い議論を行うには、先ほど紹介した私流のやり方以外に様々な方法があると思います。是非とも自分流のコミュニケート法を見出されることを期待します。


 最後に、本日卒業そして修了し社会に羽ばたかれる諸君に、「何時も誰かが諸君を見守り続けています」、即ち長岡技術科学大学の教職員そして学長は、諸君の活躍はもちろんのこと、重大な局面に遭遇した時でも諸君を何時も見守り続けていると伝えたいと思います。それを信じて、常に未来を見続け、自分の力を信じて夢にチャレンジし、努力を積み重ねて大きな成功を納めてください。


 本学も多くの分野において着実に成果を上げるべく、前へ前へと進み、諸君が本学を卒業・修了したことを、今まで以上に誇りと思って頂けるような大学へと、自律的に革新していくことを誓います。諸君も本学で培った学びや研究を、仲間や先生との絆を終生の誇りとし、本学の今後の活躍を見守りながら、未来を見据えて自分の進むべき道を切り拓いてください。


 日本の未来を創り上げるのは諸君です。

 諸君の夢おおい未来に乾杯です