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平成26年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

2015.03.25

 平成27年3月25日(水)に長岡市立劇場で平成26年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

 今年度の学部卒業者は444名、大学院修士課程修了者は416名、専門職学位課程修了者は7名、博士後期課程修了者は21名でした。

 また、学生表彰が行われ、学業・研究活動においては25名に、課外活動・社会活動においては2団体5名に新原学長より賞状及び記念品が手渡されました。

 学長告辞は次のとおりです。

【学長告辞】

 長岡の厳しい冬が過ぎ、残雪に映える山々に注ぐ日の光に、春の息吹を感じる季節になりました。

 本日、この佳き日に、長岡商工会議所副会頭 金子勝彦様、新潟産業創造機構テクノプラザ長 畦上正美様、長岡高専校長 渡邉和忠様、公益財団法人長岡技科大技術開発教育研究振興会理事長 山崎彬様、同窓会会長 磯部広信様、本学名誉教授の多くの先生方に、ご来賓としてご臨席を賜り、更にメキシコ、スペイン、インドからの来賓の臨席も賜り、長岡技科大平成26年度学部卒業式および大学院修了式を挙行できますことは、本校教職員一同にとって、この上ない大きな喜びです。学長として心より感謝申し上げます。また、多くの保護者の皆さまのご列席を頂き、ともに祝福できますことも、大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。

 本日学士の学位を授与された444名、修士の学位を授与された416名、専門職修士の学位を授与された7名、そして博士の学位を授与された26名、合計893名の諸君に心からお祝いの言葉を送ります。また、留学生諸君は、家族と遠く離れ、言葉も習慣や文化も、そして気候も大きく異なるこの長岡での生活・勉学・研究において、今までにない苦労を経験したことと思います。この環境の変化を力強く乗り越えた諸君の長きにわたる努力とチャレンジ精神に敬意を表します。

 諸君は入学してから絶え間なく努力と研鑽を重ね、大きく逞しく成長しました。厳しく指導いただいた先生方、切磋琢磨し合った学友と紡いだ絆は、諸君が築き上げた大きな財産です。諸君が今日の日を迎えることができたのも、ご家族、先生、学友、地域の皆様の支えがあってのことです。感謝の気持ちを忘れないようにして下さい。

 諸君はこれから新たなステージに向かい、科学技術創造立国を支えるグローバルに活躍できるイノベーティブな技術者として活躍することが求められます。グローバル化による競争の激化、急激な少子高齢化の進行、産業の空洞化、地域格差が加速度的に進行する我が国にあって、皆さんの活躍こそが我が国の未来を決します。我が国の諸課題と積極的に向き合い、その解決に重要な役割を果たすことを期待します。

 諸君の80%は中学校を卒業する15才の時点で、「技術科学の世界で生きる」という明確な目的意識を持って入学した高専での実践的で創造的な勉学を通して、ものづくりの感性を育んで、本学の3年次に編入してきました。また、学部1年に入学した20%の諸君は本学の特異なカリキュラムに従い2年間実践的な教育を受け、3年次に進学後は高専から編入した学生と机を並べて勉学と研究に励んできました。この世界に類を見ない本学独自の高専・専門学校・一般高校から本学の学部そして大学院へと続く9年から12年に及ぶ長期の一貫教育研究スキームにより初めて可能になる、国内外の企業と協働した4ヶ月~6ヶ月に及ぶ実務訓練に参加し、内15%の諸君は海外の企業等でこの訓練を受け、諸君は自分自身で課題を見つけ、その解決策を見出すことの出来る、自立性と独創性に富み、グローバルに活躍できる高度技術者・研究者となる経験を積み上げてきました。

 諸君は、この様な、一般大学では難しい実践的で豊かな創造力を育む、本学の特長である長期の教育研究システムの下に学び、研究したことを終生の誇りとし、社会に出ても、また大学院に進学しても、自信を持って、大きな夢と希望に向って、自分の限界にチャレンンジし続け、日本の、世界の宝になってください。そして、本学を支える一員になって頂きたく思います。日本の未来を創り上げるのは諸君です。

 さて、現在の日本社会は、未曾有の国難とも言える東日本大震災からの復旧・復興、急激な少子高齢化の進行、グローバル化による競争の激化、環境・エネルギー問題、産業の空洞化、地域コミュニティの衰退などの大きな課題にさらされています。大学に要求される内容も日々高度化し、大学力が国力であるとの言葉まで発せられるようになり、大学には国民からの大きな期待が寄せられています。この大学を取り巻く環境変化に確実に対応する為には、本学は、開学以来維持し続けてきた長期に活躍できる実践的な人材の育成と、「ものづくり」の礎となる技学の新たな時代への深化を同時に実行し、更なる成長を遂げる必要があります。

 このような状況の下、本学は3年半前の平成23年8月に、「社会の変化を先取りする“技学”を創成し、未来社会で持続的に貢献する実践的・創造的能力と奉仕の志を備えた指導的技術者を養成する、大学院に重点を置いたグローバル社会に不可欠な大学を目指す」を新しい理念と決め、5年先、10年先、そして20年から30年先を見据えた「中長期成長戦略」と、それを実行する為の「アクションプラン」を策定し、着実に実行してきました。

 この中長期を見据えた活動は、諸君の本学での活躍とともに進められ、既に大きな成果が上がりつつあります。具体的には、①国内国外での学術会議等での学生の受賞件数が大幅に増加した、②在学時代にベンチャー企業を設立し成功する学生が増加した、③研究のレベルを示す学術論文の引用件数に於て、材料科学分野が世界の全大学の31番目に、自動制御システム分野が世界の160番目にランクされた、④企業との共同研究が活発になり、研究者数を考慮するとその数は全大学の中で1位、金額では東大と京大に続く3位にランクされた、⑤留学生比率は全国立大学平均の約3倍で、約7人に1人が留学生である、等がその例です。諸君は、未来を視た様々な取組が進められ、大きな成果が得られている中で学び、研究してきたのです。諸君は、この様に、日本のみでなく国際的にも顕著な成果を上げている長岡技科大で学び研究したことに誇りを持って下さい。

 最近、長期の不況に悩まされてきた日本経済にも明るい兆しが見え始めた様に思われます。しかしながら、この兆しを本物にするために私たちは多くの事に挑戦する必要があります。特に大学においては、大学力が国力であるとの熱い期待に応え、実践力と現場力を持つクリエーターやイノベーターとなり得る構想力や想像力に富んだ高度技術者の育成に全力で取り組むとともに、大学及び地域のグローバル化、そしてイノベーションの創出に全力で取組む事が強く求められています。

 この社会の強い要請に応えるために、長岡技科大は約2年半前に、豊橋技術科学大学や国立高等専門学校機構と連携・協働して、6年のプロジェクト「世界で活躍し,イノベーションを起こす実践的技術者の育成」を立ち上げると共に、長岡技科大の教育研究の基本原理である“技学”を基礎にした人材育成とイノベーションを湧出するための“技学イノベーション推進センター”を設立しました。このセンターでは、全国の高専からの参加者を含め480名以上が、企業からの参加者や学生等を含めると1800名以上が約500のシーズに関して新産業に結びつく研究開発を精力的に初めており、新しい成果が湧出し始めています。
 また、昨年9月には文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業に参加する大学に選定され、「グローバル社会を牽引する実践的技術者育成プログラム ~グローバル産学官融合キャンパス構築~」の課題の下に10年間にわたり、(1)高専-技大の技学教育研究モデルを世界の次世代戦略地域に展開し、長岡技科大の教育・研究の基本原理である技学の世界的な教育研究ネットワークを構築する事業と、(2)産学連携モデルを戦略的海外拠点に展開し、技学テクノパークネットワークを構築する事業を、同時に展開する事になりました。長岡技科大は、この様な活動を通して、世界を牽引する次世代の戦略的地域との強固なネットワークを持ち、実践的グローバル技術者教育を先導し続ける特異な機能を持つ大学として成長し続けます。

 本学が、他大学では不可能と思われる異次元の国際貢献活動を展開する理由は、多くの国々が、特に日本が今後連携を進めるはずの開発途上国が、本学の長期の教育研究システム及び産学連携システムを取り入れる事を強く望んでいるからです。また、この国際展開が、日本が抱えている急激な少子高齢化と人口減問題等の解決に大きな役割を果たすと信じるからです。諸君は、このような本学の活躍を見守り、その活躍を自慢し、長岡技科大の教育研究システムが世界に望まれて展開される事実を誇りとし、本学とともにグローバルに成長し続けて頂きたいと思います。

 グローバル化した現代社会、即ち、勝ち組が全てとるデジタル社会においては、生きた情報を素早く適格に収集し、未来に対する明確なビジョンを、多くの人々と積極的に意見交換しながら素早く構築し、それを先取り型の行動・活動に繋げることが強く求められます。その為には、多くの人々と意識して積極的にコミュニケートし、常に自分の意見を率直に相手に伝えて議論し、その議論を通して相手の反論が妥当であると思われる場合は、その反論を取り込んだ形のビジョンを再構築することが必要になります。日本人の素晴らしい気質、即ち人の気持ちを先に汲む思いやりの心を、捨て去ることを勧めている訳ではありません。日本人の素晴らしい気質は維持しながら、多くの人々と素直に積極的にコミュニケートする必要が有り、それを可能にする努力が必要であると申し上げているのです。

 私ごとになりますが、欧米流のデジタル思想に染まり、日本的なアナログ思想を捨て去った活動の結果として、約30年前の43歳の時に引き起こした大きな失敗を契機にして、私は「今後は人を絶対に嫌いにならない、全ての人を好きになる」と決意しました。この決意を守り続けることにより、数年以内に国内外の数多くの人々と信頼関係を壊すことなく、真に率直な意見交換が出来る大きな国際的ネットワークを創り上げる事に成功し、このネットワークによるコミュニケートにより、未来に対する閃きを楽しむことが出来るようになりました。

 今まで以上に、何が起こるか予想することが難しい現代においては、本学の新しい理念でも述べたように、未来を視た先取り型のビジョンの構築とそれに基づく行動・活動が、特に重要になります。それを実行するにおいては、例えば、明治から大正時代に活躍された長岡の教育哲学者、野本恭八郎先生の独尊と互尊の考え方に従って活動する、即ち、「人は個々に異なる考え方を持っていることを認め、それを尊重しながら、異なる考え方を持つ人々と積極的に接触し、心を通わせながら議論し、必要な時がきたらお互いを尊敬しながら連携・協働する」ことも必要になると思われます。お互いに心を通わせながらの熱い議論を行うには、先ほど紹介した私流のやり方以外に様々な方法があると思います。諸君が努力を積み重ねて自分流のコミュニケート法を見出されることを強く期待します。

 大学は未来を創るために存在します。学生諸君が未来への夢を語り育み、チャレンジするために存在します。従って、私ども教職員は学生諸君と日常的に未来への夢について真摯に語り合い、学生諸君が在学中に自分の未来への夢を育み、挑戦し始めることを力強く支援することが求められます。この大学の使命を確実に果たすために、長岡技科大は社会の変化を先取りする自律的な改革を継続し、豊かな未来を創る爲の成果を輩出し続け、諸君が本学を卒業そして修了したことを、今まで以上に誇りと思って頂けるようなかけがえのない大学として存在し続けることを誓います。諸君も本学で培った学びや研究を、仲間や先生との絆を終生の誇りとし、本学の今後の活躍を見守りながら、未来を見据えて自分の進むべき道を切り拓いて下さい。

 最後に、本日卒業そして修了し社会に羽ばたかれる諸君、長岡技術科学大学の教職員そして学長は、諸君の活躍はもちろんのこと、重大な局面に遭遇した時でも諸君を何時も見守り続けていると伝えたいと思います。それを信じて、常に未来を見続け、自分の力を信じて夢にチャレンジし、立ち止まることなく努力を積み重ねて大きな成功を納めてください。

 日本の未来を創り上げるのは諸君です。諸君の輝かしい未来に乾杯です。