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平成28年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

2017.03.27

 平成29年3月24日(金)にハイブ長岡で平成28年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。

 今年度の学部卒業者は489名、大学院修士課程修了者は384名、専門職学位課程修了者は12名、博士後期課程修了者は20名でした。

 また、学生表彰が行われ、学業・研究活動においては23名に、課外活動・社会活動においては1団体と1名に東学長より賞状及び記念品が手渡されました。

 学長告辞は次のとおりです。

【学長告辞】

 卒業生、修了生の皆さん、おめでとう。本日ここに平成28年度の卒業式、修了式を迎え、学士、修士、博士それぞれの学位を得た皆さんの長年の研鑽とその成果に敬意を表し心からお祝いを申し上げます。併せて、長年にわたって皆さんを支え見守ってこられたご家族の方々に心よりお礼とお祝いを申し上げます。

 留学生の皆さんは、故国を遠く離れ、言語・文化の異なるところでの生活、学習には大きな苦労があったことと思います。幾多の困難を乗り越えて今日の日を迎えられましたことに敬意を表します。

 国内はもとより、広く海外の地から集まった文化の異なる多くの人たちと出会い、ともに語り、時にはぶつかり合って過ごしたこの数年は、皆さんの精神に大きな成長を促した時期で、そこで得た友人は皆さんのこれからの人生でかけがえのない財産となります。そしてこの長岡の地は、青春期の故郷として皆さんの心に長くとどまることと思います。

 本学は、昨年の10月に開学40周年を迎えました。昭和51年に、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系の大学として、高等専門学校生を主たる対象とする新構想のもとに設立されました。開学以来、国内外の企業等で幅広い視野から総合的な実践的技術力を養う約5か月間の「実務訓練」を実施し、これまでに1万人以上の実践的指導的高度技術者を社会に送り出し,日本の産業の発展に大きく貢献してきました。

 昨年、日本経済新聞社が行った企業の人事担当者から見た大学のランキングでは、旧帝大をはじめとする有名大学を抜き、本学の卒業生が総合評価で1位になりました。「行動力」が1位、「独創性」、「対人力」で2位、「知力・学力」で3位と全ての側面で高い評価を得ています。一般の大学が学術研究を重視しているのに対し、本学は学術研究を産み出すための現場での実践を重んじています。皆さんは、他大学に例を見ない独自の教育システムを持つこの大学で、高度な教育を受け、実践の現場での学びの過程を通して「考える力」を育んできました。自ら研鑚に励んだ皆さんは、大きな自負と誇りを持って新しい世界に臨んでください。

 大学で皆さんが獲得した大きな力は、専門的な知識や技能ではなく「考える力」です。考える力を身につけるための訓練を皆さんは大学で続けてきました。自分で考えるという行為は決して簡単なことではありません。徹底的に考える努力を続けることが何よりも重要です。社会で通用している既存の価値や諸前提を疑い、根本的に考え直すことで、人間社会が健全に機能し、新しい知識と富を獲得します。これが創造性であり、技術科学の分野ではイノベーションに繋がります。

 私は皆さんに次の3つのことを心に留めて置いてほしいと思います私は皆さんに次の3つのことを心に留めて置いてほしいと思います
 一つ目は、「現場を忘れるな。離れるな。現場が原点である。」ということです。これが実践的で創造的技術者の神髄です。現場という言葉は、工場の生産現場だけでなく、その事象が発生する自然界を含めたすべての現場です。そして皆さんにはグローバルな現場で、未踏分野、未踏領域で活躍してほしいと思います。

 二つ目は、「指導的技術者たれ」ということです。この「指導的」という意味は技術的指導者になれという意味ではありません。本学設立の社会的ニーズとして次のような経緯があります。まず昭和30年代から始まる高度経済成長の中で、現場で活躍する生産技術者の必要性が指摘され、このためには「学理偏重の工学教育ではなく、実践的技術者教育に力を入れた特色ある高等教育機関設置が社会的に要望され、全国に高等専門学校が設置されました。その後、急激な科学技術の発展は、公害など当時の社会的諸問題を顕在化させ、科学・技術の在り方とその社会的役割について新しい問題が提起されました。このため技術科学の分野において、新しい技術対象に対し常に適応能力を備え、人類の福祉に貢献できるような実践的創造的能力を備えた指導的技術者の養成が急務となり、本学が設立された訳です。

 今また、急速な科学技術の進展により、グローバル化が進み、様々な問題が生じています。情報は一瞬にして世界を駆け巡り、国境の壁が無くなる一方で、国や民族、宗教間の対立は絶えません。またグローバル化がもたらした生産・物流・労働者の自由な移動による貧富の拡大や国家間の不利益に対して、保護主義や自国主義のような揺り戻しが生じ、先を見通せない状況になっています。一方、技術革新の進歩は急速で、人工知能やロボットの発展で世界が大きく変わり、20年後には今ある職業の半分が無くなっていると言われています。

 このような中で、皆さんは、科学・技術の在り方とその社会的役割について真剣に考えなければなりません。様々な領域の専門をこれから社会で活かし、人類の幸福な未来社会を設計し、切り拓く指導的技術者としての活躍が期待されています。現在我々が直面する様々な問題、課題を見つめ、これまでの歴史を振り返り、知識を広げ、想像力を働かせることが重要です。そのための素養として本学で多くのことを学んだはずですが、さらに、視野を広げ多くの書を読み思考と実践を繰り返し、学び続けていってください。

 三つ目は、皆さんに、夢と志と情熱を持ち、どんな時も誠心誠意で進んで欲しいと思います。孟子の言葉に「至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり。」というのがあります。吉田松陰が好んだ言葉です。誠の心をもって尽くせば、動かなかった人など今まで誰もいないという意味です。また、常に志を持ち続けていることが重要です。そうすれば成功するまで続けられます。ゲーテは次のように言っています。「この動揺する時代に、自分までぐらつくのは災いを増すばかりだ。己の志を守ってゆずらぬ者だけが、世の中を作り上げて行く。」そして、次のガンジーの名言があります。「物事は初めはきまって少数の人によって、時にはただ一人で始められるものである。」

 これから皆さんは、実践的創造的な能力を備えた指導的技術者として、旺盛なフロンティアスピリットと奉仕の精神を発揮し、日本のみならず、世界の人々のために貢献する第一級の人物に成長するよう望みます。

 最後に、皆さんがそれぞれ悔いのない人生を送られるよう、そして一人一人の将来が幸福に恵まれるよう祈念し、告辞といたします。