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花が少なかった今年の技大桜について

2013.4.26

 4月13日、14日、20日、21日に開催しました技大桜散策祭にご来場くださった皆様、ありがとうございました。今年の本学の桜は花が少なく、以下のとおり、その理由についてとりまとめましたのでお知らせします。

 本学の構内周回道路の東側には、100本を超える桜が植えられ、サクラ通りと呼ばれています。毎年、春にはすばらしい桜の花のトンネルを見せてくれるのですが、今年は例年になく花付きが悪く、満開となってもまばらにしか花をつけていませんでした。(写真1参照)

【写真1】本学構内道路「サクラ通り」の桜並木

 枝を見ても葉芽ばかりで、花が咲く前から、花芽やつぼみが少なかったことが分かります。(写真2参照)

【写真2】本学構内道路「サクラ通り」の桜

 花芽が少なくなる原因は、いくつも考えられます。一つには、サクラの木の樹勢の衰えです。サクラの木にも寿命があり、大学に植えられているソメイヨシノでは60~70年程度と、よく言われます。サクラの木が盛りを過ぎると、樹脂が少なくなるため幹が痛みやすくなり、ウロができたり、菌類が幹に入ってキノコが生えたりします。そうなれば、もちろん多くの花をつけることは難しくなります。寿命に届かない若い樹であっても、生えている土地が痩せていて養分が不足したり、樹の周りの土が踏み固められて根が弱り十分に養分が吸収できなくなると、樹勢が弱り花も少なくなります。

 しかし、技大のサクラは37年前の開学当初に植えられ、寿命にはまだ十分な間のある壮年期のサクラです。また、去年まで存分に花をつけており、今年急に養分切れになったとは考え難いと言えます。病気であれば1本ずつ樹勢が衰えるものですが、大学のサクラ全体が花が少なくなっているので、樹勢の衰えのような、サクラの側の原因ではないようです。

 次に考えられるのは、気象条件の悪化などの環境要因の影響です。サクラの花芽は、花が咲く前の年の初夏に作られます。その前後に、極端な低温や高温、渇水などがあれば、全ての樹が一斉に花芽形成に障害を受けます。このような気象要因の場合、大学のサクラの樹、全てで花が少ないことは説明できますが、より広い範囲で影響が出ることになります。大学の外のサクラの状態を調べてみると、長岡の中心市街地の福島江のサクラや、柿川沿いのサクラなど、街中では今年も見事に咲いています。(写真3参照)

【写真3】長岡市街地の桜並木

 一方、大学周辺の来迎寺や越路では大学同様、サクラの花が少なくなっているようです。少なくとも、長岡平野は同じ気象条件だと考えられるので、花芽形成時の環境ストレスが原因ならば、市内全域でサクラの開花に影響が出るはずです。しかし、花が少なくなる現象はより局地的な範囲に限られているため、気象要因も除外できます。

 大学のサクラの、花の付き方をもう一度よく観察してみると、特定の位置ではたっぷり花が付いていることが分かります。それは、胴吹きと呼ばれる、太い幹に直接、花が付く部分です。(写真4参照)

【写真4】本学構内道路「サクラ通り」の桜

 また、よく見ると全体に花が少なくなっている中でも、高い梢の部分でより花が少なくなっています。(写真5参照)

【写真5】本学構内道路「サクラ通り」の桜

 このことから考えられるのは、鳥によるつぼみの食害です。少しでも人から離れたところ高い梢の方が、鳥は安心して採餌できます。また、太い幹には鳥はとまり難いので、そこだけ食べ残されたと考えられます。春先の、昆虫の少ない時期、サクラの花や花芽は鳥たちの重要な食料となります。開花後の19日にもメジロが蜜を吸いに来ていました。(写真6参照)

【写真6】長岡技術科学大学構内道路「サクラ通り」の桜

 メジロは、蜜を吸うだけで花を落とさないので、「犯人」ではありません。スズメやヒヨドリも、花の蜜を吸って花を落としますが、花が咲いてからの行動なので開花前のつぼみが減るような今回の事態には、責任がないようです。この、サクラのつぼみが少なくなる鳥害は、多くの場所で見られ、渡り鳥のウソが犯人として名指しされることが多く、ウソ以外の野鳥がつぼみの時期の桜を食害した例は、現在のところ確認されていないようです。鳥害の可能性が最もありそうですが、長岡技大にウソの大群が飛来したという、目撃証言はありませんので、現時点では原因となる鳥がウソだとは断定はできません。

 長岡技大のサクラのつぼみが少なくなる現象は、2007年、2011年も起きています。来年度は、つぼみの時期に鳥に目を付けられずに、きれいな花が見られるよう祈るばかりです。