【学長メッセージ】本学を支えてくださっている皆様へ
更新日:2020年6月5日
5月25日に政府による特別措置法に基づく緊急事態の解除が宣言されるとともに、これを受けて、本学が所在する新潟県でも5月27日に県知事による新たな「県民へのお願い」が発出され、外出の自粛や様々な制限が段階的に緩和される方針が示されました。本学でもこうした状況を踏まえて、新型コロナウイルス感染症への警戒を怠ることなく、「新しい生活様式」に基づき、また、コロナウイルスとの共生(With-Corona)、コロナウイルス後(Post-Corona)を見据えて、大学の活動を再開させていくことといたします。
1.教育活動について
本学では、1学期の授業を遠隔システムで行うこととし、4月16日から試行を開始し、5月7日から本格的に実施しています。現在のところ、大きな問題は無く運用されており、学生アンケートの結果でも、何度でも見返して理解できることなどが好評を得ています。遠隔授業の実施に際しては、必要な環境を整備するため、自宅に情報端末が無い学生やネットワーク環境が不十分な学生に対して、情報機器やモバイルWi-Fiルーターを貸与するなどの支援を行っています。大学側でも研究室や学生宿舎など学内施設の情報インフラの拡充・強化を行っています。また、学生を「アクセシビリティ・リーダー」や「学習サポーター」として雇用し、遠隔授業実施の支援に当たってもらっています。
全国的な緊急事態宣言の解除を受けて、今後の対面授業の開始も検討しているところです。政府及び県による往来制限が解除される6月19日以降、県外待機中の学生の宿舎やアパートへの入居を開始し、その後、7月中旬以降に可能なものから実験科目授業を開始したいと考えています。本格的な対面授業の開始は2学期(9月)からを検討しています。その際には、一定の距離(ソーシャルディスタンス)が確保された環境で実施するとともに、再び感染症が拡大するなど事態が悪化した場合には、遠隔授業に切り替えるなど、必要な措置を取ることにしています。
2.学生への経済支援について
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための外出自粛や施設の使用制限により、経済活動の縮小が余儀なくされ、学生とそのご家庭の生計にも大きな影響を及ぼしています。本学においても、保護者など学資負担者の収入減や学生本人のアルバイト等収入減により、学業の継続が困難な状況に直面する学生が急増しています。こうした学生を大学として支援するため、大学基金の修学支援事業の枠組みを活用して、30万円を無利子で貸与(学業成績等を踏まえて返還免除)する緊急支援奨学金を設けました。この緊急支援奨学金には、本学同窓会をはじめ大学の内外から多くのご寄附をいただき、5月時点で36名の学生に支援の手を差し伸べることができました。また、大学キャンパスにおける今後の活動再開に向けて、学生の食生活を支援するため、全学生を対象に学内食堂の利用補助を継続的に行います。この他にも、学生に対する経済的支援として、授業料納入が困難な状況にある学生に対して、納入期限を来年3月15日まで延期する措置も講じています。
引き続き、政府による給付金や授業料減免制度も活用しながら、将来の技術者や研究者を目指して本学に入学した学生が、新型コロナウイルス感染症の影響による経済的困窮で学業の継続を断念することが無いよう、大学としても可能な限りの支援をしてまいります。
3.学生相談体制について
新型コロナウイルス感染症の影響により、学生は、経済的な問題以外にも様々な困難に直面しています。本学では、修学上や生活上の様々な悩みや問題を抱える学生に対する支援を強化するため、本年4月に新たに「学生総合支援センター」を開設し、学生相談体制を拡充しました。この学生総合支援センターでは、常勤のキャンパス・ソーシャルワーカーを雇用するとともに、専門の相談員・カウンセラーの増員、相談窓口の増設などを行いました。大学として、学修、研究、学生生活における悩みや不安を抱える学生に対して、これまで以上に寄り添った支援をしてまいります。
4.学生募集・入学試験について
令和3年度入学者選抜試験については、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて、実施方法などの検討を行っています。第3学年入学者選抜試験(学力入試)については、緊急事態宣言の解除を受けて、当初予定の6月27日(土)に実施いたします。感染防止のため、面接試験の中止や試験会場における予防措置を講じることなど、受験者に周知しているところです。今後の入学試験の実施については、新型コロナウイルス感染症の状況の変化により、変更が必要になる事態も考えられますが、本学を志願される皆様が安心して受験いただけるよう、感染防止対策に万全を期して準備を進めるとともに、ホームページなどで適切に情報を提供してまいります。
例年実施しているオープンキャンパスやオープンハウスについては、今年度は開催を中止し、大学見学の受入れも現時点では行っておりません。オーブンキャンパスについては、大学内における対面形式では開催しませんが、「Webオープンキャンパス」として非対面形式で実施することを計画しています。詳細については後日お知らせすることにしています。このような状況ではありますが、本学を志望する高等専門学校、高等学校の学生・生徒や教員の皆様に、本学の教育・研究及び学生生活の魅力についてご理解をいただけるよう、これまで以上に努めてまいります。
5.就職支援について
新型コロナウイルス感染症は学生の就職活動にも大きな影響を及ぼしています。3月1日に就職活動が解禁になり、本学も3月2日から9日までの日程で、576社の参加を得て、学内合同企業説明会を予定しておりましたが、全国的な感染の拡大により、急遽中止のやむなきに至りました。本年の就職活動は、移動の自粛や催物の開催制限などにより、例年と大きく異なる様相となっており、企業側の選考も対面形式からオンライン形式に移行する動きや、選考時期が遅れるなどの影響が出ています。本学でもこうした状況を受けて、合同企業説明会の開催に代えてWebでの企業情報提供を行うなど、就職活動のオンライン化に対応した就職支援を行っているところです。今後の企業の採用における新型コロナウイルス感染症の影響は未知数ではありますが、大学として、例年と同水準の就職が確保できるよう、学生の就職活動を支援してまいります。
6.大学の活動への影響について
上記以外にも、新型コロナウイルス感染症は大学の様々な活動に影響を及ぼしています。学生やご家族だけでなく地域の皆様にもご参加いただいている技大祭の開催中止、学生の海外派遣や国際交流プログラムの中止、大学の施設利用や課外活動の制限をはじめ、大学の教育・研究活動のあらゆる側面に及んでいます。世界的な新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中で、現在の大学の事業活動が縮小している状況が、中長期的な大学運営にどのような影響を与えるのかは未知数です。本学が使命とする実践的グローバル技術者の養成とともに、SDGsを先導する技術科学大学として、地域の産業界との連携・協力・支援を通じて、この新型コロナウイルス感染症の克服に向けて役割を果たしたいと考えています。
本学では、新型コロナウイルス感染症の拡大が予測された当初から、海外渡航への注意喚起、感染予防措置、本学教職員や学生に感染者が発生した場合の対応などについて、危機対策本部で検討し、学生、教職員をはじめとするみなさんの健康と安全を最大限考慮しながら、必要な対策を行ってきたところです。我が国においては、感染拡大が抑止され、緊急事態宣言が解除されましたが、諸外国では感染拡大が継続している地域は依然として多く、海外への渡航など国際交流の再開は未だ見通せない状況にあります。また、制限が緩和されたとは言え、感染の終息には至っておらず、今後発生が懸念される第2波、第3波への警戒を怠ることはできません。本学としては、引き続き、感染症の発生や拡大に備えて、学生が安心して大学での勉学や必要な対策や支援を的確に行えるよう取り組んでまいります。本学を支えていただいている皆様のご理解、ご協力、ご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。
令和2年6月5日
国立大学法人 長岡技術科学大学長
お問い合わせ
大学戦略課 企画・広報室
〒940-2188 新潟県長岡市上富岡町1603-1
電話:0258-47-9209 FAX:0258-47-9010
令和2年6月
- 「みつけSDGsパートナー」に認定されました。
- 岡崎正和特任教授が日本材料学会論文賞を受賞しました。
- 本学の地方創生SDGs官民連携プラットフォームへの入会が承認されました。
- 学長選考に係るお知らせ
- 長岡市国際交流協会(協賛:原信)より留学生全員に食品を配布いただきました。
- 中村文則助教、下村匠教授、細山田得三教授が土木学会吉田賞(論文部門)を受賞しました。
- 本学教員が「SDGsにいがた第1回セミナー」で講演しました。
- 令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を8年連続で受賞しました。
- 令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を溝尻瑞枝准教授が受賞しました。
- 【学長メッセージ】本学を支えてくださっている皆様へ
- 笠井大輔准教授が長瀬研究振興賞を受賞しました。
- 田中諭准教授が研究進歩賞を受賞しました。
- 河原成元教授がエラストマー討論会英語優秀発表賞を受賞しました。
- 【在学生向け】 6月1日以降における新型コロナウイルス感染症への対応について
- 大学構内の立ち入り制限について(6月19日更新)