撮影協力者:工学部工学課程電気電子情報工学分野4年
中倉拓哉
1978(昭和53)年4月18日に行われた第1回学部課程入学式において、初代学長川上正光先生は次のように述べました。
「大学の最も重要な使命の一つは新しい学問技術を創り出すことにあると同時に独創的能力のある人材を養成するものでなければならない」と堅く信ずるものであります。(中略)
わが国で最も必要なものは「独創力の増強」であるということがはっきりしております。従って、本学の使命、目標、方針というものも自ら明瞭であると思います。すなわち本学は、1にも2にも、「独創力の増進」を目標とするものでなければならないと信じます。
また、川上先生は本学の理念を次のように述べました。
本学は「考え出す大学」を目指すもので、VOSを三端とする。ここに、VはVAITALITY(活力)を、OはORIGINALITY(独創力)を、SはSERVICES(世のための奉仕)を意味している。本学関係の教職員、学生および卒業生はこのことを忘れないことを望むものである。
この言葉に込められた川上学長の想いは、「独創」の書として形に残され、次世代へと受け継がれていきました。しかし、時の流れとともに、この書の存在を知る教職員や学生は少なくなり、「独創」の書は人知れず静かに佇んでいました。
そのような中、50年という重みは、ふたたび私たちの心に火を灯しました。もう一度「本学らしさ」とは何かを問い直し、未来に向けた新たな象徴をつくりたい。その想いは、静かに、しかし確かに、多くの心を動かしていきました。
そして迎えた開学50周年。この節目にあたり、教職員、学生、卒業生・修了生、本学OB・OG教職員、本学に関わるすべての人々とともに、その想いを結集し、本学の歩みと思いを象徴するロゴマークとキャッチフレーズを創り上げました。
大学の基本理念を象徴する本学のモットーであるVOSを50thに再表現。
大学の営みは世の中とともに変容しながらも、根本理念は変わらず受け継がれ、新たな価値創造の源泉となっていることを表現しています。
開学以来変わらぬ理念をもとに、この先も熱意を持って、未知を既知に、社会で扱われる技術として落とし込み、地域、そして世界の持続可能な発展を牽引していく大学であることを示します。
初代学長が述べられたVOSの精神は、本学に関わる教職員、学生、そして卒業生の心に息づき、決して忘れられることはありません。
この先も熱意を持って未知を既知に、社会で扱われる技術として落とし込み、地域、そして世界の持続可能な発展を牽引していく大学であり続けることを胸に、鎌土学長が「発展」の書に筆をとりました。川上学長の掲げた理念を受け継ぎ、私たちはこれからも「独創」を原動力に、さらなる「発展」へと歩みを進めていきます。