文部科学省 国立大学改革強化推進事業 三機関[長岡技術科学大学・豊橋技術科学大学・国立高等専門学校機構]が連携・協働した教育改革

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事業の概要

本事業の趣旨

 近年の急速なグローバル化は、企業の海外進出と、日本の産業空洞化をもたらしており、これらは、日本が対応すべき緊急の課題となっています。
 日本企業の海外進出等に対応するためには、海外で実践的に活躍できるグローバル人材の育成が必須です。一方、産業空洞化に対応するためには、地域にヒントを得て国際競争力をもつ新産業の創出を行う、イノベーション力を持つ実践的技術者の育成が必須です。これからの技術者は海外で活躍するにせよ、国内で活躍するにせよ、両面を兼ね備えていることが求められます。
 したがって、将来の日本産業を背負うものづくり人材育成においては、グローバル視点とイノベーション視点を融合した教育プログラムの構築が欠かせません。
 国立高等専門学校機構(以下「高専機構」という。)と長岡・豊橋の両技術科学大学は、整合した連続性を持つカリキュラムの下、日本のものづくりを支え、リードする創造的実践的技術者を、高等専門学校本科卒業生、高等専門学校専科修了生、技術科学大学学部卒業生、修士課程修了生および博士課程修了生の多様なレベルで輩出する、全国をカバーした我が国のものづくりに欠くことのできない基幹的な高等教育機関です。
 グローバル化に対応できる実践的技術者育成を高度に効果的に推進するため、上記三機関が連携・協働し、本教育改革事業に取り組むこととしました。

事業概要

 本事業はグローバル指向とイノベーション指向の人材育成を融合した教育プログラムの構築を目指すものです。これからの日本にはグローバルに活躍し、イノベーションを起こす実践的技術者が求められます。その人材育成のための教育改革を、三機関(長岡・豊橋両技術科学大学、高専機構)の豊富な国際連携活動や、地域に根ざした産金学官連携活動の強みを活かしたキャンパスネットワークを構築することにより、効率的に、加速的に実現することを目指しています。
 主な事業は以下のとおりです。

  1. 両技術科学大学・51国立高等専門学校・高専機構本部の連携した活動の基盤となる専用回線(VPN)を活用したGI-net(グローバル・イノベーション・ネットワーク)の整備
  2. 海外連携・協働キャンパスを構築し、海外教育拠点での教育や海外実務訓練の実施などのグローバル指向人材育成事業を推進
  3. 研究開発機能を持つ産金学官連携の融合キャンパスを構築し、地域産業界、技術科学大学、高専機構が連携したプロジェクト実施とそこでのイノベーション指向人材育成事業を推進
  4. 高等教育の高度化の観点から①~③を活用し高専機構と両技術科学大学が連携・協働した教育プログラム及び教員の質の向上を目指したFDや人事交流などの事業を推進
  • 三機関が連携・協働した教育改革 〜世界で活躍し,イノベーションを起こす実践的技術者の育成〜

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三機関の社会的役割・機能

  • これまで、高等専門学校・技術科学大学で整合した連続性を持つカリキュラムの下、日本のものづくりを支え、リードする創造的実践的技術者を、高等専門学校本科卒業生、専攻科修了生 、技術科学大学学部卒業生 、修士課程修了生 、博士課程修了生の多様なレベルで輩出してきています。
  • この技術者教育体系のものづくり産業への貢献が高く評価され、三機関とも常にほぼ100% に近い就職率を誇っています。
    (技術科学大学においては、博士修了者についても高い就職率となっています。)
  • また、卒業生・修了生の多くがものづくり産業における企業の社長あるいは技術部門のトップとして活躍しています。

産業競争力会議でも、大学には日本の成長を支えるグローバル人材、イノベーション創出人材、地域に活力を生み出す人材の育成と、大学の研究力を活かした新産業の創出が期待されています。

三機関の社会的役割・機能

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高等専門学校・技術科学大学の連携状況

学生教育
770名の高等専門学校卒業生が両技術科学大学に3年編入あるいは修士入学、協働教育プログラム(技術者育成アドバンスドコース)の実施、技術科学大学高等専門学校間の遠隔授業の実施、原子力人材育成プログラムの共同実施、共同でのFD活動
共同研究
両技術科学大学学長裁量経費等での共同研究(平成27年度実績;322件)の実施。個別教員の科研費等の共同申請(平成28年度科研費申請:32件)も多く実施しています。
人事交流
交流制度に基づく平成20-27年度交流実績
高等専門学校→両技術科学大学:35名、
両技術科学大学→高等専門学校:16名、
技術科学大学出身の高等専門学校教員数:370名
(高等専門学校教員の約10%)(H28年4月1日現在)
高等専門学校出身の技術科学大学教員数:107名
(技術科学大学教員の約25%)(H28年5月1日現在)
産学連携
高専・技科大連合・スーパー地域産学官連携本部の設置・運用、科学技術振興機構の「高専-技科大新技術説明会」を毎年共同開催
その他
長岡技術科学大学・高等専門学校統合図書館システム(52機関)、教員交流研究集会の毎年の実施、全国高専フォーラム・国際会議(H27年度4会議)等の共催

このような連携教育研究を通し、全国をカバーした我が国のものづくりに欠くことのできない実践的技術者育成における基幹的な組織体制を整えています。

高専・技科大の連携状況

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