・音響励振 垂直に設置されているノズルから噴流拡散火炎を生成し、火炎に対して水平方向に設置されているスピーカーから音波を加えることによって火炎形状が分岐または短炎化します。このような現象のメカニズムは未だ解明されていません。様々な条件下で実験および解析を繰り返し、音響励振現象のメカニズムの解明を行っています。もし音響励振現象のメカニズムが解明された場合、燃焼制御に有用であると考えら日々研究しています。
・熱泳動 熱泳動現象とは、温度勾配のある気相中において、微小粒子が高温側から低温側へ移動する現象です。現在は、燃焼ガス中に含まれる粒子状物質の挙動を明らかにするため、3μmと8μmの粒子の混合割合を変化させ、影響を調査しています。この研究は、自由落下による微小重力を利用し、自然対流の影響を排除した高精度な熱泳動速度の計測を行っています。熱泳動挙動を解明することで、燃焼機関におけるすす粒子の制御等が期待できます。
・燻焼 燻焼は有炎燃焼と比べて、燃え拡がり速度が遅く、低温であり、炎を伴わない燃焼です。この燃焼の形態は有炎燃焼よりも人体に有害な物質を発生すること、より弱い熱源によって燃焼が発生することがあることから危険な燃焼の形態であるといえます。本研究では、綿を加熱により着火させ、燻焼の発生のメカニズムの解明を行っています。
・再出火 消火活動によって一度炎が消えた後、燃え残った可燃物から再び炎を生じることがあります。この現象を再出火と言います。また再出火による火災を再燃火災といいます。再出火は発生する時間が予想できないことなどから、確実な鎮火が困難です。私たちの研究では、再出火のメカニズムの解明や再出火を起こさない消火方法について日々研究しています。