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平成25年度学部入学式並びに大学院入学式を挙行しました。

更新日:2013年4月11日

 平成25年4月5日(金曜)に長岡市立劇場で平成25年度学部入学式並びに大学院入学式を挙行しました。
 学部入学者475名、大学院修士課程入学者451名、博士後期課程入学者24名、大学院専門職学位課程入学者10名が、新原晧一学長より入学許可を受けました。
 引き続き、入学生を代表して学部第3学年経営情報システム工学課程の中野優人さんが宣誓を行いました。
 学長告辞は次のとおりです。

 本日、この春のよき日に平成25年度入学式を挙行するに当たり、南は大分県、北は北海道の一般高校や工業高校等から、全国立大学の中で2番目に高い入学試験倍率を突破し、学部1年に入学した105名、全国の高専から3年に編入した370名、大学院の修士課程や博士課程に入学した475名、専門職大学院に入学した10名、合計960名の諸君、長岡技術科学大学への入学、誠におめでとうございます。併せて、入学生諸君を今まで慈しみ支えてこられた、ご父兄の皆様に対し、お礼とお祝いを申し上げます。
 また、68名の留学生諸君、遠い祖国のご家族から離れ、ここ長岡の地に良く来てくれました。今日から始まる長岡での生活、勉強、研究、そして日本語、文化の違いなどで、厳しい毎日が続くと思いますが、大学としては諸君に最大限の支援をしますので、安心して頑張ってください。
 さて人間の一生の間には大きな節目が幾つかあります。大学および大学院への入学は、最も重要な人生の節目の1つで、今後自分が自立し、自分の一生を託すに足る自分の才能を、自覚し、それを学びで磨き、そして高め、身に付けるための節目です。したがって当然のことながら、大学は諸君を大人の個人、即ち独立した成人として接します。諸君は今後、成人としての権利を得る一方で、全てのことにおいて自分で自身の選択をすることが求められ、その責任を負うことになります。その上で多くの人との友情と信頼を確立し、更に自己の主張を発現させる基盤を創り上げる必要が有ります。また、大学という教育研究の場は、単に専門的な技術科学や真理探求の場だけでなく、諸君の人間形成の場でもあります。
 若い諸君には日本の、そして世界の未来を背負っていくための無限の可能性が与えられています。他と異なる自分の能力と可能性を自覚し、見出し、それを信じ、尊重して、開花させてください。人は個々に異なる能力と考え方を持っています。諸君はそれを、お互いに尊重しながら、異なる考え方を持つ人々と積極的に関わり、議論し、協調することが必要です。これが長岡で生まれ、明治から大正時代に活躍され、山本五十六大将を含む多くの人々に多大な影響を与えた教育者、野本恭八郎先生の、自尊と互尊の考え方です。諸君もこれらのことを学び自覚し、頑張ってください。
 ここで長岡技大のことに少し触れます。本学は、昭和51年、今から37年前に、工学系の新構想大学として創設された大学で、一般大学にない多くの特長を持っています。
 まず第一に述べたい特長は、本学学生の80%が全国のほぼ全ての都道府県に所在している国公私立57高専から学部3年次に編入してきているということです。20%の学生は工業高校や一般高校から1年次に受け入れていますが、このような大学は他に豊橋技術科学大学しかありません。
 従って、本学に入学してくる学生のほとんどは中学校を卒業する15歳の時点で、「技術の世界で生きる」という明確な目的意識を持ち、高専や専門高校に入学し、そこでの勉学を通し切磋琢磨して、「ものづくりDNA」を育んできます。それ故に、本学は高専や工業高校と連携することにより、一般大学では出来ない、9年~12年の長期の学部、大学院の一貫教育体制の下で、技学を基礎にしたイノベーションを目指した、教育研究に取り組み、実践的で創造的な能力にたけた、グローバルに活躍できる、2万人以上の指導的技術者・研究者を輩出してきました。
 第二の特長は、大学と企業との共同研究がタブーとされていた37年前から、本学は、産学官連携活動を他大学に先んじて推進し、企業との共同研究に積極的に取り組んできたことです。
 第三は特徴ある教育カリキュラムです。本学の教育カリキュラムの大きな特徴の一つは、大学院に進学予定の4年次の学生全員を、4カ月~6カ月間企業等に派遣する長期のインターンシップがあるということです。本学では、この制度を実務訓練と呼んでおり、平成24年度は約14%の学生を外国に派遣しています。本学が設立された30年以上も前から社会の要請を先取りして、本学は、この実務訓練を実施してきておりますが、現状においても、本学以外のどの大学も未だにこの制度を実現できていません。
 第四は積極的な国際交流です。大学として戦略的な取り組みを進めてきており、一般大学に先んじて、ユニークな国際教育プログラムを開発し、双方向で大きな成果を上げています。モンゴルの現在の教育科学大臣は本学の卒業生ですし、本学で学んだ学生が世界で活躍しています。
 現在の日本社会は、未曾有の国難ともいえる東日本大震災からの復旧・復興、急激な少子高齢化の進行、グローバル化による競争の激化、産業の空洞化、地域格差などの大きな課題にさらされており、このような環境に対して、大学は国民に、そして学生諸君に未来を提示し、先導していく機関として、今後一層重要な役割を担う必要が有ります。しかしながら、社会変化のスピードはきわめて急速で、多くの人々が先の見えない不安に駆られているように感じられます。国民が、そして学生諸君が安心して個々の能力を発揮するためには、大学は常に10年後、20年後の像を明確に示し、それに向けて着実に進展していることを示す必要があります。
 つまり、学生諸君に未来への夢を提示するとともに、その夢を共有し、それに向けて努力できる環境を整備することこそ、現在の大学がなすべき最も重要な責務と私は信じています。その夢の一つは、未来社会の予測と目指すべきビジョンを示し,本学が開学以来構築してきた技学をもとに、日本が有する環境・人材・資源・技術などのリソースをフルに活用することでイノベーションを輩出すると共に、それを担う高度の技術者・研究者を育成することです。
 本学は、総合大学と比べて必ずしも大きな規模ではありません。しかし、私は、目的を同じくする全国の高専や工業高校と強く連携協働することにより、さらには本学や各高専が接する地域社会の活力を取り込むことで、世界に類のない多様性と広がりを持った、世界をリードする巨大な未来創造型のキャンパスを、この長岡に構築できると確信しています。
 このためには、まず、本学の関係者、高専や高等学校等の関係各位およびそれらが根ざす地域や社会の皆様と夢を共有し、その夢に向かって学生諸君が活躍できる環境を整えることが、大学としての最大の責務となります。このような環境を整えるために、大学は常に自律的に変革していくことが必要で、これを達成するために、本学では平成23年8月に10年先、20年~30年先を見据えた中長期成長戦略とその戦略を着実に実行するアクションプランを策定し、それを着実に遂行しています。
 この中長期を見据えた活動を実行していく段階で、3月25日の卒業・修了式の告示でも紹介しましたが、既に大きな成果が上がりつつあります。具体的には、学生諸君の活動に関しては、
1)課外活動に参加する学生数がこの3年間で約1.6倍も増加した
2)学生の課外活動の中で、ロボコンプロジェクト部の平成23年度のNHK大学ロボコンでの2位、平成24年度の4位とアイデア賞の獲得、またキャチロボバトルコンテストでの優勝、サイクリングクラブ部員の全国的なレースにおける上位入賞、軟式野球部の全国大会での活躍
3)国内国外での学術会議での発表による学生の受賞件数の大幅な増加等が上げられます。
 また、学生諸君と教職員の協働による成果としては、研究レベルを示す学術論文の引用件数が世界でも上位にランクされている、また毎年の就職率は常にトップクラスで、就職後の離職率も飛びぬけて低い数字を維持している、留学生比率は全国立大学平均の3倍以上で、約7人に1人が留学生というグローバルなキャンパスを実現している等の、多くの成果が上がっています。私は大学の運営に学生諸君の力を借りていきたいと考えています。実際に今日もこの入学式の模様を、学生の力を借りてインターネットで生中継していますし、本学のホームページの企画・作製・管理に学生が活躍しています。
 諸君は、これらの他大学にはない、特徴あるプログラムや環境下で学び、研究することを誇りとし、自信を持って大きな夢と希望を持って、自分の限界にチャレンンジし続け、日本の、本学の宝として育ち、本学を支える一員になって頂きたく思います。日本の未来を、そして本学の未来を創り上げるのは諸君です。
 本学は、学生諸君が、生き生きと活躍できる、新しいキャンパスを構築するために必要な、環境整備や、本学の機能の更なる高度化を目指すための、新しいプロジェクトの立案・獲得を目指してきました。諸君が勉学に励み、規定より1年~2年も早期に大学院を修了できる仕組みも整えました。平成25年度には、機械建設1号棟の耐震改修、昨年4月にスタートした原子力安全系を主対象とする、総合実験研究棟の新設と高性能の加速器の設置が認められました。また、本学が密接な連携を構築してきた、高専機構及び豊橋技大と連携した6年間の大型プロジェクトも、平成25年を実質的な元年として動き始めました。この三機関協働プロジェクトにより、本学に産学官融合の為の技学教育を推進するセンターが設立されます。本学が今後もグローバル社会で成長を続けるためには、今までにない、この大型のプロジェクトの成功が必要不可欠で、そのためには諸君の力強い協力が必要です。これまでにない、高度で、力強く、タフで、自立型の大学を目指す、この新プロジェクトの成功の為に、一緒に活動しようではありませんか。
 大学の主役が学生であることは言うまでもありません。多様な学生諸君が、それぞれの能力と活力を最大限に発揮させることが、大学のアクティビティを高めると確信しています。そのためには今後も、キラキラした目を持った学生諸君が、能動的に活躍できる環境を整え続けたいと思います。
 長岡技大は常に未来を視続けています!皆で協働して、未来につながる独創的なキャンパスを創り上げましょう。
 本日はご入学、誠におめでとうございます。

平成25年度学部入学式並びに大学院入学式の画像1

平成25年度学部入学式並びに大学院入学式の画像2

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