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令和6年度学部入学式並びに大学院入学式を挙行しました

更新日:2024年4月10日


4月5日(金曜)に長岡市立劇場で令和6年度学部入学式並びに大学院入学式を挙行しました。
学部入学者486名、大学院5年一貫制博士課程入学者9名、大学院修士課程入学者375名、大学院博士後期課程入学者22名が、学長より入学を許可されました。
引き続き、入学生を代表して、学部第3学年電気電子情報工学分野の秋山はやてさんが宣誓を行いました。

式典映像を下記URLにて視聴することができます。ぜひご覧ください。

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。https://www.youtube.com/live/ZL4hab1yfC4?si=a8zH1sT6LoxozYR4

なお、学長の告辞は次のとおりです。

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。長岡技術科学大学の教職員を代表しまして、心より歓迎するとともに、長く続いたコロナ禍の大変な環境の中、日々誠実に努力を積み重ね、晴れて本学に入学されました皆さんに、敬意を表したいと思います。また、これまで皆さんを支えてこられ、本日を迎えられましたご家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。
皆さんは、この春から全国或いは世界各国から親元を離れ、この長岡の地で、多くの仲間とともに、かけがえのない貴重な時間を共有していくことになります。本学は、多くの留学生が在籍しており、国内でも有数の国際性豊かな大学です。これからの大学生活の中で、多くの友人と出会い、多様な考え方や異なる文化に触れ、互いに認め合いながら、様々な価値観を尊重することを大切にしてください。大学で出会った友人は、皆さんにとって生涯の大きな財産となるはずです。
さて、現在の日本社会は先の見通せない予測困難な「VUCA(ブーカ)の時代」と言われます。VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取り、変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ社会情勢を示すものです。コロナ禍においては、想定外のことが次々に発生し、これまでの常識が大きく覆されたことが記憶に新しいのではないでしょうか。今後も長く続くと予想される「VUCAの時代」では、アジャイル思考やAI等だけでは代替できない力が必要であり、それらを高めておくことが大変重要となります。
一方で、近年、「持続可能」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。代表的なものとしては、「国連が掲げる持続可能な開発目標『SDGs』」です。本学ではSDGs達成に向けて、早い段階から国内外の産業集積地域での啓発活動を継続的に実施したことが認められ、国連アカデミック・インパクトSDG9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のハブ大学に、2期連続で任命されています。そのため、本学での生活や研究において、これらの言葉は、数多く目にすることになるでしょう。加えて、ユネスコからも教育プログラムとして、「チェアプログラム(技学SDGインスティテュート)」、さらに、6か国10機関および1海外企業から構成される「ユニツインネットワーク(技学SDGネットワーク)」が認定を受けるなど、国際機関からもSDGs推進大学として、高く評価されています。これらのことは、本学のSDGs達成に向けた活動への、大きな期待を表すもので、大変名誉なことと思っています。
長岡技術科学大学は、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う、大学院に重点を置いた工科系の大学として、1976年に開学し、2026年(令和8年)に50周年を迎えます。社会課題解決に必要な学術研究を産み出すための、現場での実践を重んじている本学では、学部で約5か月間の長期間に亘る実務訓練を実施し、実践の中から「考え出す力」を育むとともに、SDGs達成に貢献し、グローバルに活躍できる実践的・創造的能力を備えた技術者の養成を目指しています。特に、データサイエンスやAIを有効活用でき、Society5.0の実現を牽引できる横断的・異分野融合的な知を備えた「STEM人材」、さらに俯瞰的視野から社会変革に対応し、マネジメント力を発揮できる「STEAM人材」を育成します。そのため、実務訓練や企業との共同研究等を通じた産学協働教育に加え、令和4年度からの改組において、工学分野を大括り化し、令和6年度からはメジャー・マイナーコースや技術革新フロンティアコースを導入した学際的な教育研究プログラムを本格的に推進してゆきます。自らを磨く糧として貪欲に吸収し、あるいは本質の探究に努め、その学びの過程を通して、本学の理念である、「考え出す力」、「未来を予測し、未来を創る力」をしっかりと育み、目まぐるしく変化する社会構造に臨機応変に対応できる力を身に着けてください。
さらに、研究開発面では、令和4年度に採択されました、「共創の場形成支援事業、通称COI-NEXT:“コメどころ”新潟地域共創による資源完全循環型バイオコミュニティ拠点)」、および「国立大学経営改革促進事業(メタバースの活用と技科大リソースマネジメントによる研究教育システムの価値向上と財政基盤の拡大)」を国内外の機関と連携して推進しています。令和5年には、大型プロジェクトとして、経済産業省から「地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点」、文部科学省から「地域中核・特色ある研究大学の連携による産学官連携・共同研究の施設整備事業」、内閣府から「地域の中核大学イノベーション創出環境強化事業」が採択され、地域企業、自治体と連携し、DX、GXおよびSXを推進できる施設の整備とイノベーション創出を目指した企業等とのコンソーシアム体制の構築を進めています。将来的には、強みのある研究分野として育ちつつある環境、防災・減災等の教育研究分野との強力な連携を通じて、社会実装化を加速させ、地域の魅力創りと、持続可能な社会の実現に貢献する地域中核大学を目指します。
皆さんは、このような、本学で推進する大型教育研究プロジェクト等への積極的に参加し、質の高い教育研究環境の中で、将来の夢を描きながら、勉学に励んでください。その際には、最先端の知識や技術の習得に留まらず、正しい情報を選別し、正しく状況を把握する、情報選択・判断能力、確実性の高い仮説を考え出し、望ましい目標に近づける、モデル構築能力、そのモデルについて失敗を怖れず、かつ前例にとらわれずに検証する、実行力も身に着けてください。
皆さんの大学生活を更に実りあるものとし、将来的にグローバルエンジニアとして活躍するためには、まずは海外に出て、多様な価値観や思考、教養、文化を涵養することが重要です。そして、世界各国からの留学生や、教員・技術者・企業人とともに学び、研究活動や交流を深めることにより、世界標準のダイバーシティを認識し、国際感覚を身に着けるように心がけてください。一方で、真の国際人になるためには、日本の文化の特徴をよく理解し、価値観の幅を広げることも肝要です。そして諸外国との文化や考え方の違いを良く知ったうえで、外国の異文化に接して、その国の文化を学び、また自らが国際社会の中で理解されるよう努めてください。そのようにすれば、真の意味でのグローバルに活躍できるエンジニアになれるでしょう。
また、改めて日本の歴史や文化への造詣を深め、これから縁あって過ごす、長岡で出会う地域の方々との交流や、地域文化に触れることも大切にしてください。
結びになりますが、開学以来の本学のモットーであるVOS、すなわちVitality(活力)、Originality(独創力)、Services(世のための奉仕)の精神をもって、皆さんのこれからの学生生活が充実した日々となり、VUCAの時代を乗り越えられる力を獲得することを祈念いたしまして、歓迎の挨拶とします。

令和6年4月5日

長岡技術科学大学長  鎌土 重晴