既存の合成法を駆使すれば大抵の物質を合成できますが、現代は有害物質や過剰な試薬を用いず、廃液や廃棄物の少ない最先端の合成反応が求められます。本研究室では高い還元力を有し、毒性が低い金属マグネシウムを還元剤として、高い選択性、簡便性や環境保全を特徴とする新有機合成反応の設計と開発を行っています。この反応は、求電子性炭素を求核性に変えることで、教科書では目にしない組み合わせの反応を可能にし、機能性材料およびその中間体合成の反応段階を大幅に削減して合成化学に大きく貢献しています。

金属Mgを用いた還元反応。窒素置換してから反応させ、最適な反応条件を探します。