―― まずは、ご自身の研究テーマについて教えてください。
私の研究は、真空プロセスを用いた半導体薄膜の作成と、それを応用したデバイス開発です。具体的には、太陽電池や水分解装置、センサーなどに使われる新しい材料を開発しています。現在のデバイスにはレアメタルや毒性のある元素が使われていることが多いのですが、私はより安価で安全、そして廃棄も簡単な材料でこれらを代替することを目指しています。例えば、紙の上に印刷して使い終わったら裏紙のように捨てられる、そんな手軽なデバイスができれば、資源の少ない発展途上国のインフラ整備など、SDGsの観点からも大きく貢献できると考えています。
―― 長岡技術科学大学の研究環境はいかがですか?
非常に充実しています。特にキャンパス内にある「分析計測センター」は規模が大きく、歩いてすぐに行ける距離に高度な分析機器が揃っているので、研究のスピード感が違います。自分で高額な装置を購入するのは難しいですが、大学が管理・運用してくれるので、若手研究者にとっては本当にありがたい環境です。また、「工作センター」には熟練の技術職員がいて、図面を渡せば世界に一つだけのオリジナル実験装置を作ってくれるんです。分析もできて装置も作れる。まさに「ないものはない」と言えるほど恵まれていますね。
―― 学生たちの印象はどうですか?
本学の学生の多くは高専出身で、北海道から沖縄に至るまで全国の高専から集まっています。すでに卒業研究などの経験を積んでいるため、研究に対するポテンシャルが高いと感じます。実験の手順なども、いちいち細かく言わなくても理解して進めてくれるので頼もしいですね。彼らの熱心な姿に、私自身も刺激を受けています。まさにチームというか大きなテーマに向かって一丸となる「小さな会社」として研究を進めている感覚ですね。