音響振動工学センター

概要

音や振動は人間の感覚において非常に重要なものであり、人間の社会生活と密接な関係にある。これらの音や振動を大別すると、人間の役に立つもの(意味のある音)と、人間の害になるもの(騒音)とに分類される。
音響振動工学センターは、音響および振動工学に関する総合技術の研究開発を目的として設立された共同教育実験施設である。
本センターは学内で広く活用するほか、外部機関、産業界にも開放することで産学共同の実を上げるとともに、音のおもしろさを体感できるような施設見学も可能である。

経緯

本センターは、電気・機械・材料その他多くの周辺関連技術の進歩が音と結びつくことによる、新しい音のサービス提供や音の新システム開発が必要との考えから、また、巨大な機械や高速輸送機関の出現による騒音・振動という新しく生じた音の弊害に対応するため、1984年4月に設立された。
このような中で低周波振動公害対策の研究、磁石接触面の摩擦による防振・防音機構の検討、鉄骨建造物のアクティブ振動制御の研究、及び低騒音舗装の開発研究が行われ、世に多くの研究成果をもたらした。
近年ではITの先端であるバーチャルサウンドシステム研究に重大な役割を果たしている。
本センターの施設は全国の大学でも例を見ないほどの大規模かつ高性能な音響特性を有しており、性能的にはISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)、JIS(日本工業規格)に定められている音響特性基準の全てに適合している。

設備

センター平面図

音響振動工学センター平面図

無響室

機能・用途

  • 床面積:153平方メートル
  • 容積:378立方メートル
  • 各種発振源(音源)や受音器の精密測定
  • 人間の聴覚の精密測定
  • 土木構造物等の縮尺モデルの振動特性
  • 産業機器の発生騒音の精密測定
  • 聴覚心理実験

残響室

機能・用途

  • 室内における音波の伝搬特性測定
  • 各種音源の放射パワーの測定
  • 遮音・吸音材料の測定(残響室1と2を結合して使用)
残響室1
  • 床面積:44平方メートル
  • 容積:280立方メートル
  • 直方体構造
残響室2
  • 床面積:54平方メートル
  • 容積:330立方メートル
  • 不等辺五角形構造,床と天井は不平行

聴覚心理実験室

機能・用途

  • 床面積:26平方メートル
  • 振動騒音、音響情報および視聴覚情報等に対する人間心理及び生理的反応実験

防音室(箱)

機能・用途

  • 低騒音下での聴覚試験

電気機械音響実験室

機能・用途

  • 構造体・機械構造物の振動特性の測定・制振の実験
  • 定在波音響管による吸音率の測定
  • トンネルシミュレータの実験

見学

見学について

本センターでは、随時見学を受け付けています。
音が全く響かない無響室や、その反対に音の残響が長い残響室(まるで洞窟やホールの中)では、思わず歓声を上げる小中高校生が大勢います。
また、現在盛んに研究が行われているバーチャルサウンドの試聴も行えます。
具体的には、以下のようなことが体感できます。

  • 2チャネルスピーカ再生法と多数のスピーカにより音波の合成を行う波面合成法による再生法との比較試聴
  • ヘッドホンで聞いているにも関わらず、まるでスピーカから音を聞いているように感じる頭外音像定位技術による試聴(室内のいたるところから聞こえる)

興味を持たれた方は、下記にご連絡ください。

施設見学状況

施設見学者数のグラフ

施設使用申請

施設の使用(使用条件)

本センターの施設使用には、事前申し込みが必要です。急な申し込みは先約者のご迷惑となりますので、遅くとも1ヶ月前までにご連絡ください。学内者の最大利用期間は1ヶ月です。それ以上の連続使用は、その都度更新手続きをお願いします。学外者の使用につきましては、下記にお問い合わせください。

施設使用申請書

学内用、学外用で書類が異なります。ご注意ください。

スタッフ

センター長

岩橋 政宏(教授(兼務))

センター員
  • 杉田 泰則(准教授(兼務))
  • 南部 功夫(准教授(兼務))
  • 豊田 英之(技術職員)

お問い合わせ

〒940-2188 新潟県長岡市上富岡町1603-1
長岡技術科学大学 産学連携・研究推進課 
電話:0258-47-9281 E-mail:shienjcom.nagaokaut.ac.jp