三浦友史教授、上村靖司教授が第77回新潟日報文化賞を受賞しました

電気電子情報系 三浦友史教授、機械系 上村靖司教授の2名が、第77回新潟日報文化賞を受賞しました。
本賞は、県勢の伸長と県民生活の福祉に貢献することを目的に1948年度に制定されたもので、「産業技術」「学術」「芸術」「社会活動」の4部門で地域の振興に顕著な業績をあげた方々に贈られるものです。
三浦教授は学術部門において「再生可能エネルギー導入を実現するパワーエレクトロニクス技術による電力工学への貢献」についての業績、上村教授は社会活動部門において「除雪安全に関わる長年の調査研究及び普及啓発活動」の業績が認められての受賞となりました。表彰式は11月1日新潟日報メディアシップにおいて行われます。

【受賞内容の概要】

<学術部門>

三浦教授は、パワーエレクトロニクス技術を適用した分散電源の制御、マイクログリッド、スマートグリッドの研究に精力的に取り組んでいるほか、風力発電のための大容量周波数変換器であるモジュラー・マトリックス・コンバータの制御法、および屋内の直流給電システムに適用する非接触コンセントに関する研究や、インバータに従来の同期発電機と同様の振る舞いをさせる仮想同期発電機制御について先駆的な研究を行っています。系統の周波数が不安定になる慣性不足の問題が懸念されていることから、分散電源のインバータの仮想同期発電機制御などの技術は不可欠であり、将来のカーボンニュートラル実現に大きく貢献することが期待されています。


<社会活動部門>

最近30年間で約1,500人が雪に関わる事故で被害を受け、その多くは除雪作業中の転落事故によるものです。上村教授は、これらの事故の大半が高所からの転落であり、そのリスクは一般労働災害の20~40倍であることを示し、転落事故を減らすための装備や器具の開発、普及・啓発活動に取り組んでいます。特に命綱アンカーの普及に注力し、行政への働きかけを行い、ガイドブックの発行や補助金制度の創設、法律への明記を実現しました。また、安全なハシゴの開発にも貢献し、グッドデザイン賞を受賞したほか、除雪安全に関する講習会の講師を務め、知識や技能の普及にも尽力しています。これらの取り組みにより、豪雪地帯での安全対策が進み、雪害事故の大幅な減少につながることが期待されています。