會田英雄教授が令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞しました
2025.04.08
文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰しており、機械系 會田英雄教授の「次世代パワー半導体デバイス用単結晶基板の製造技術の振興」の実績が認められ受賞となりました。表彰式は4月15日(火曜)に文部科学省講堂において行われる予定です。
【受賞内容の概要】
高効率パワー半導体デバイスを実現する結晶材料の候補に、炭化ケイ素、窒化ガリウム、酸化ガリウム、ダイヤモンドがあります。デバイス研究開発を本格化させて実用化に持ち込むには、まずこれらの結晶材料からなる大型基板が、大量生産できることを示す必要があります。
本活動では、量産性の高いEFG法で世界初となる2インチ酸化ガリウム結晶成長を実現しました。またプラズマCVD法を用いたヘテロエピタキシャルマイクロニードル成長法を考案して、単結晶ダイヤモンド基板の大型化の道筋を示しました。成長後の結晶を基板へと加工する超精密加工では、実用性に富むCMP加工を駆使し、超難加工材料であるこれらの結晶基板表面を原子レベル無じょう乱表面に仕上げることに成功しました。さらにその加工高効向上を目指して革新的なプラズマ援用CMP加工にも取り組み、実用型加工装置を開発しました。
本活動により、各種の次世代半導体結晶基板の量産化に対する企業活動が一気に活発化しました。超高品質な表面を有する大型結晶基板の安定供給が進むことで、基板上に製造するパワー半導体デバイスの高性能化が可能となります。省エネ、CO2削減をもたらす次世代パワー半導体デバイスの本格的な普及に寄与しています。