令和6年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました
2025.04.10
令和7年3月25日(火曜)に長岡市立劇場において、令和6年度学部卒業式・大学院修了式を挙行しました。
今年度の学部卒業生数は431名、大学院修士課程修了者数は367名、5年一貫制博士課程修了者数は10名、博士後期課程修了者数は16名でした。
また、学生表彰も併せて行われ、学業の成績優秀者18名に、鎌土学長から表彰状及び記念品が贈られました。
式典映像はYouTubeにてご確認いただけます。
なお、学長の告辞は次のとおりです。
本日、ここに学士の学位を授与された431名、修士の学位を授与された367名、博士の学位を授与された27名、合計で825名の皆さん、誠におめでとうございます。皆さんの長年の研鑽と、その成果に敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。
併せて、今日まで長きにわたり、皆さんを支えてこられたご家族の方々にも、敬意を表しますとともに、心よりお慶び申し上げます。
卒業生・修了生の中には、64名の留学生が含まれています。留学生の皆さんは、故国を離れ、言語や文化、生活環境が異なる長岡の地における生活、厳しい勉学と研究において大変な困難があったことと思います。これらの環境の変化を力強く乗り越え、成長を続けてきた皆さんの努力とチャレンジ精神に敬意を表します。
さて、現在我々は、人口減少・少子高齢化、自然災害、環境問題、国際情勢の不安定化等、様々な問題に見舞われており、先行きを見通すことが困難な状況にあります。
さらに、近年は生成AIが急速に発展し、専門的な分野に留まらず、我々の生活にも浸透してきました。その結果、とくに教育・保健医療・エンターテイメントの分野において新たなビジネスの創出や業務の効率化などの恩恵を受けています。その反面、雇用機会の喪失、正確性、著作権、機密情報の取扱い等の問題など、多くの課題も次々と表面化しています。
このように我々を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、今後更に複雑化する現代においては、これまでの常識に囚われることなく、柔軟かつアジャイルな対応が求められています。皆さんは本学で、長期にわたる実務訓練、あるいは現場での課題解決に向けた産業界等との共同研究を実践し、得られた専門的な知識やスキルを基盤として、「考え出す力」、「未来を予測し、未来を創る力」を獲得してきました。新たなWell-beingな社会を実現するためには、異分野融合による新分野の開拓、異種技術の統合によるイノベーティブな技術の開発、さらには自然科学、人文社会科学の境界を越えた協働等が必要になります。すなわち、多様な「知」が集い、あらゆる分野の知見を総合的に活用し、社会の諸課題へ対して的確、かつ迅速に対応することが不可欠です。このことを肝に銘じておいてください。
皆さんが本学で学んだ様々な分野の専門知識と、獲得した人間力をこれから社会で活かし、新しい幸福な社会を作る技術科学の真のリーダーとして活躍することを期待しています。自ら研鑚に励んだ皆さんは、大きな自負と誇りを持って、新しい世界に臨んでください。技学のDNAとVOSの精神を持っている皆さんなら、持続可能な未来社会を切り拓く指導的技術者あるいは研究者として世界の人々のために大いに貢献できると信じています。
今年度、長岡技術科学大学は、「大学の国際化によるソーシャル・インパクト創出支援事業」と「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(通称J-PEAKS)」の2つのプロジェクトに採択されました。前者では、技学の理念を具現化するため、地方自治体、地域企業、高専、海外拠点と連携し、地域社会との協働により多文化共修を技学教育に組み込み、「グローバル技学共修教育」へと発展させることで、地域課題の理解・解決を志向し、それを達成し得るグローバルR&D人材を育成することを目指しています。さらに、地域社会と協働して地域課題の解決を目指す実践的な多文化共修により、育成した人材を核として大学発、地域発ソーシャル・インパクトを引き起こすことを目指しています。
また「J-PEAKS」では、「社会と大学のサスティナビリティの共進化」により、これまで本学が「研究の強みとしてきた分野」、すなわち、ものづくり・パワエレ・環境浄化・微生物科学と、「地域の魅力」、すなわち石油・天然ガス・米・雪をかけ合わせた4つの分野において社会変革を生み出し続けるSX研究大学を目指しています。そのため、「技術科学」のコンセプトを「総合知」へ拡張し、若手・中堅を中心とした研究ユニットと国内外の著名な研究者・技術者との研究連携を強化し、「ソーシャル・インパクト」を生み出し続け、地域を牽引する研究大学としての機能を強化します。これらの取組を通じて、10年後には世界トップ1%のSX研究大学を目指します。
さらに本学は、令和8年10月には開学50周年を迎えます。今後もSDGs達成に向けた先進的研究・技術開発の推進とその社会実装を通じて、国内外の産業集積地域の持続的発展や魅力創りに貢献し、地域社会及びグローバル社会に不可欠な大学となることを目指し、皆さんが誇れる大学であれるよう努力を続けて参ります。皆さんは本学で築いた友人との縁を大切にして、ネットワークを構築し続けてください。そして、これからも本学のOB・OGとして、未来の後輩たちへご支援の程、よろしくお願いいたします。
結びになりますが、本日卒業、修了し、社会に羽ばたかれる皆さんが、高い志・夢を持って未踏領域・未踏分野に果敢に挑戦し、新たなステージで光り輝くこと、そして一人一人の未来が幸福に恵まれるよう祈念し、お祝いの言葉といたします。
令和7年3月25日
長岡技術科学大学長 鎌土 重晴