渡利高大准教授がクリタ水・環境科学研究優秀賞を受賞しました

環境社会基盤系 渡利高大准教授が、クリタ水・環境科学研究優秀賞を受賞しました。受賞の対象となった論文は「新規電子伝達促進ゲルによる高効率嫌気性染色排水処理技術の開発」です。クリタ水・環境科学研究優秀賞は、公益財団法人クリタ水・環境科学振興財団より助成を受けた研究課題の中で特に秀でたものに贈られます。授賞式は、8月29日に京王プラザホテル東京において行われました。

【受賞内容の概要】
クリタ水・環境科学研究優秀賞は、研究助成事業のフォローアップの一環として、優れた研究成果を創出し、社会的貢献度の高い活動を行っている研究者を表彰するものです。対象となった研究は、インドネシアをはじめとする開発途上国で深刻な環境問題となっている高着色かつ毒性を有する染色廃水に取り組んでいます。適切な処理技術の開発が強く求められる中、嫌気性処理は安価で環境に優しい方法であるものの、効果的な脱色には易分解性の補助基質が必要です。本研究(2021年度採択「新規電子伝達促進ゲルによる高効率嫌気性染色排水処理技術の開発」)では、電気伝導性が高く腐食しにくい導電性物質(Fe₃SO₄)と、脱色に必要な有機物源となり得るデンプンをポリビニルアルコール(PVA)ゲルに封入した新規電子伝達促進ゲルを作製し、バイアル実験によってその効果を検証しました。本研究は、開発途上国における染色廃水処理という重要課題に挑み、これまで積み重ねてきた成果は高く評価できます。ただし、社会実装の段階には至っていないため、今後の着実な海外展開に大いに期待されます。

表彰式の様子 渡利准教授(写真右側)
副賞