磯部浩已教授、中村文則准教授が第78回新潟日報文化賞を受賞しました

機械系 磯部浩已教授、環境社会基盤系 中村文則准教授の2名が、第78回新潟日報文化賞を受賞しました。
本賞は、県勢の伸長と県民生活の福祉に貢献することを目的に1948年度に制定されたもので、「産業技術」「学術」「芸術」「社会活動」の4部門で地域の振興に顕著な業績をあげた方々に贈られるものです。
磯部教授は産業技術部門において「超音波振動を援用した機械加工技術と産業応用」についての業績、中村准教授は学術部門において「塩害予測技術の高度化および社会基盤インフラの維持管理への貢献」についての業績が認められての受賞となりました。表彰式は10月31日新潟日報メディアシップにおいて行われます。


【受賞内容の概要】

<産業技術部門>
磯部教授は、機械加工およびトライボロジー分野で先進的な研究を行い、特に「超音波振動を援用した機械加工技術」の開発で高い評価を得ております。この技術は、超音波振動を活用して材料表面に微細なテクスチャを高効率で加工するもので、エネルギーロス削減やカーボンニュートラル社会の実現に貢献が期待されており、切削や研削、穴あけなど多様な加工工程に応用可能で、難削材や複雑形状の加工にも有用性が実証されています。
磯部教授は、こうした超音波振動援用加工の原理解明から装置開発、産業応用まで体系的に研究を進め、工具の摩擦低減や加工精度向上など生産性と品質向上に寄与しており、産学連携を推進しながら技術者育成にも尽力し、地域発のものづくり技術を発信しています。

<学術部門>
中村准教授は、近年、社会問題となっている社会基盤インフラの老朽化などの維持管理に関する学問について、長年にわたり研究を続け、コンクリート構造物を塩害から守るための予測技術や計測技術の開発など学術的研究および実務分野で認められる成果をあげています。さらに、学術的な研究成果の実務分野への活用を進めており、塩害対策技術として実構造物の設計・維持管理に使用されているとともに、社会基盤インフラの長寿命化に応用され国土強靭化の実現に貢献しています。
また、長年にわたって続けてきた塩害の予測解析の研究成果と、急速に発展しているデジタル空間の技術を融合し、新規的な塩害予測技術に関する成果をあげており、社会基盤インフラ全体の維持管理の効率化につながる技術として注目を集めています。