本学学生が大阪・関西万博で廃炉トークセッションと廃炉ロボット出展に参加しました

本学学部3年・機械工学分野の塚田愛由希さん(福島高専出身)が、5月24日(土曜)に大阪・関西万博で開催された福島復興企画トークセッションにパネリストとして登壇しました。また、6月18日(水曜)~19日(木曜)には、同万博のイベントで「高専未来チャレンジ」コーナーに出展した福島高専のメンバーとして、来場者に廃炉ロボットの説明や操作体験のサポートを行いました。

「いつか、自分も福島のために何かしたい」。塚田さんが福島高専に進学したのは、小学生のときに見たドキュメンタリー番組から福島第一原子力発電所の廃炉に関心を持ち、廃炉にロボット分野で携わりたいと思ったことがきっかけでした。高専では、廃炉に向けた技術を競う廃炉創造ロボコンに参加するなど、ロボット開発に熱中する日々を送ってきました。その後、塚田さんは機械分野、原子力関連の知識と経験を積み重ねて、より実践力を身につけたいと考え本学に進学。
今回の大阪・関西万博への参加は、高専生時代の活躍を踏まえ、恩師である福島高専機械システム工学科の鈴木茂和教授から塚田さんに声がかかったものです。

5月24日、経済産業省資源エネルギー庁が主催する福島復興企画トークセッション「廃炉、現場のリアルに迫る。」が大阪・関西万博で開催されました。塚田さんは、このセッションの第2部「廃炉の『これから』」にパネリストとして登壇。廃炉ロボコンでの経験を通じて培った廃炉への思いを、集まった多くの来場者に向けて語りました。トークセッションには多くの来場者が足を止め、熱心に耳を傾ける様子が見られました。

さらに塚田さんは、6月18日~19日に開催された「EXPO共鳴フェス-万博から描く未来社会の技術、デザイン-」(主催:2025年日本国際博覧会協会、共催:読売新聞社、共同企画:独立行政法人国立高等専門学校機構)で実施された「高専未来チャレンジ」コーナーにも参加しました。これは、全国の各高専がロボットやエネルギー、食などをテーマに研究成果を披露するものです。
塚田さんは、福島高専のメンバーとして「福島復興への取り組み~ロボット開発を通じた地域貢献」をテーマに出展。学生チームが製作した廃炉ロボットのデモンストレーションを行ったり、来場者に遠隔操縦を体験してもらったりと、熱心に説明やサポートを行いました。

万博参加を終えて塚田さんは、「日常で耳にすることの少ない"廃炉"の現場で行われていることや学生の取り組みについて、来場された方に知っていただくいい機会となりました。憶測やデマではなく、事実に対して考えを持つ方が少しでも増えるきっかけとなれば、嬉しく思います。今後への期待や応援など温かい言葉もいただき、福島第一原子力発電所の廃炉に貢献したい思いが強まりました。今後もひとつずつ知識と経験を積み重ねて、将来につなげたいと感じました」と力を込めました。

福島高専の鈴木教授は、「今回の大阪万博においては、塚田さんが企業との共同研究で開発した福島第一原子力発電所原子炉建屋内部調査用のロボットと福島第一原子力発電所の現状について積極的に紹介をしており、ブースを訪れた方は福島第一廃炉に関して正しい情報を得て帰られたと思います。長岡技大でさらに専門的な知識を学んで、将来は福島第一原子力発電所廃炉の最前線で活躍できる技術者になってもらえると期待しています」と激励しました。

  • トークセッション「廃炉、現場のリアルに迫る。」(塚田さんは後列一番左)
  • トークセッションで発言する塚田さん(登壇者左)
  • 多くの来場者があった「高専未来チャレンジ」
  • 福島高専の出展ブース
  • 廃炉ロボットの説明をする塚田さん(中央)ら学生チーム