パルス電場による電気凝集法を用いた水浄化手法の開発

研究課題の概要

電気凝集法のメカニズム

現在の水処理は、まず大きな汚染を沈殿させ、その後微生物処理、化学処理などで実施されています。しかし、汚染がひどすぎる場合は十分に沈殿させることができません。本研究では、汚染物質を速やかに沈殿させるために、電気的に凝集剤という粒子を水中に形成させる、電気凝集法が用いられています。しかしこの方法では非常に多くの電気を消費することが問題でした。そこで本研究では、パルス電場を用いることで従来の約半分の消費電力で水処理できることを解明しています。

電気により形成された凝集剤
形成された凝集剤の電顕像
水処理前後の様子

問題点

工業排水などの一次処理として、電気凝集法が用いられています。しかし、当該手法では3-5kW/m3もの多大な電力を必要としています。また、処理水が高温になるため、その後の微生物処理において問題となっています。

解決事例

パルス電源を用いた水処理手法により、染色工場の排水を模擬した廃液を用いて実験を行いました。ナノ秒パルス電源を用いて形成した凝集剤が微細なことから、直流電源よりも高効率に水処理可能であることを見出しています。

実験セットセットアップ、水処理前後の写真

保有している技術シーズ・知財

ナノ秒パルス電源を独自に開発しています。本研究においては、アルミ電極を高効率に水酸化アルミニウムに転換するための電源を開発しています。
また、パルス電場で形成された凝集剤(水酸化アルミニウム)は直流電源で形成されたものより遥かに微細で、吸着性能が高いことが明らかになりました。

担当教員

中山 忠親(技術科学イノベーション専攻 ナノ秒・ナノテク研究室 教授)

関連ゴール

ゴール6 安全な水とトイレを世界中に

ゴール9 産業と技術革新の基盤をつくろう

ゴール14 海の豊かさを守ろう

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