ものづくりで挑むエネルギーマネジメント材料研究 - 馬場 将亮

Q. どんな研究をしているのですか?

私は、エネルギーの流れや蓄え方を材料や構造の工夫によって制御する「エネルギーマネジメント材料」の研究を行っています。相変化材料(蓄熱材料)や機能性薄膜、金属3Dプリンタによる構造制御などを組み合わせ、エネルギーを効率よく利用するための新しい材料やシステムの創出を目指しています。

Q. 具体的にはどのような研究ですか?

例えば、固―固相変化材料を用いた電子機器の熱マネジメントに関する研究があります。これは「液体にならない氷」をイメージすると分かりやすく、氷のように熱を蓄えつつ、液体にならない固体材料を用いて、電子機器の発熱を吸熱する技術です。このほか、見た目は変わらないものの、気温が高くなると赤外線だけを遮るガラスなど、さまざまな機能性材料とそれらを用いたシステムの研究を行っています。

Q. 私たちの生活と、どんな関係がある研究ですか?

建物の省エネルギー化、電子機器や半導体の冷却、再生可能エネルギーの有効利用など、私たちの身近な暮らしを支える多くの場面で熱エネルギーや光エネルギーは重要な役割を果たしています。本研究は、こうした技術の性能向上やエネルギー削減に直接つながる基盤技術です。例えば、夏でも室内が暑くなりにくい建物や、発熱しても壊れにくい電子機器は、適切なエネルギーマネジメント技術によって実現されています。

Q. この研究の面白いところはどんなところですか?

新しい材料やシステムの創出を目指しているため、評価対象となる物性や性能を従来の手法では測定できない場合が多いです。例えば固―固相変化材料に関する研究では、劣化評価装置、材料性能を評価するための装置を独自に開発し、研究を進めています。ものづくりを得意とする高専生の強みを生かせる研究テーマが多い点も特徴です。

Q. 今後どんな研究に挑戦したいですか?

今後の社会では、エネルギーを「つくる」ことと「ためる」ことの両立が重要になると考えています。これまで取り組んできた蓄熱材料の研究に加え、バッテリーの熱マネジメントに関する研究や長期間熱を保存できる技術の開発も進めていきたいです。また、薄膜太陽電池を都市に導入することを想定し、都市全体を対象とした発電量シミュレーションシステムの開発にも挑戦したいと考えています。

スパッタリング装置を操作する様子
スパッタリング装置を操作する様子
実験データを確認する様子
実験データを確認する様子

馬場 将亮 Baba Masaaki

機械系 准教授(2026年4月現在)

  • 2025年4月 - 現在 長岡技術科学大学 機械系 准教授
  • 2022年4月 - 2025年3月 長岡技術科学大学 機械系 助教
  • 2018年4月 - 2022年3月 長岡技術科学大学 機械創造工学専攻 助教

機械系 准教授 馬場 将亮