近年、世界の動向は、次のような点がより顕著になってきています。

• 「異なる専門領域の融合化が求められる技術開発」
• 「多様化し、複雑化する経済・社会」
• 「急速に進行する産業の国際化」

このような世界動向の中で、本コースでは、
実践的な環境で早くから工学を学んでいる高専生の特質を踏まえ、
高専から長岡技科大という優れた教育プロセスを最大限に活かして、
「技術をベースに新たな価値を創造してそれを広め、世界、社会、人々の暮らしを
変えようとする、チャレンジ精神をもった社会変革人材“戦略的技術者”」の育成を目指します。
本コース生は、高専在学時から本コース科目の修得を開始し、
長岡技術科学大学へ入学後は、一般の学生と同様に専門の課程／専攻に所属して
その卒業／修了を目指すとともに、併せて本コース科目を修得し、本コースの修了を目指します。

本学は創設以来、「実践的・創造的能力を備えた指導的技術者の養成」を目指しています。
高専、長岡技科大による一貫した教育を実施し、産業社会からの要請に応え、わが国の“ものづくり”を支える多くの高度技術者を社会に送り出してきました。

このコースでは、長岡技科大が通常育成する技術者像の枠を超えて、“戦略的技術者”を目指すために必要な3つの素養「複眼的で柔軟な発想力」「戦略的な技術展開力」「国際的にも通じるリーダーシップ力」を伸ばしていく教育プログラムを実施します。

複雑化・大規模化する産業への科学・技術の関わりにおいては、複合的・融合的な技術実践が求められるようになってきています。
独創的な技術開発のためには、他の領域にも学ぶ複眼的で柔軟な発想力が求められます。

人類共通の諸課題に挑戦し社会を変えようとする社会変革人材（戦略的技術者）には、単なる技術開発力だけではなく、真に豊かで幸福な人間社会を切り拓くために、どのような新しい価値を提案できるかを考え、技術開発から生産やマーケティング、世界の経済、製品やサービスを受け取る消費者にまでも考えを巡らせた戦略的な技術の展開ができるような力が求められます。

産業活動のグローバル化に伴う国際的コミュニケーション環境の中で、プロジェクトを推進したり事業を展開していくためには、語学力を身に付けることはもちろんのこと、多様なパーソナリティの中でも、しっかりと自らの考えを展開してリーダーシップを発揮できるような力が求められます。これら3つの素養を伸ばしていけるよう、高専・長岡技科大の従来からの一貫教育を踏まえつつ、高専から長岡技科大という教育プロセスの各段階における本コースの科目が設定されています。

本コースは、高専4年生から修士課程までの6年間のプログラムです。
この期間を3つのステージに分け、それぞれに次のような目的を持たせています。

最先端の研究開発、産業活動の実際に触れ、自己の目指すエンジニア像を描き、モチベーションを高める。

自己の専攻分野以外の知識も積極的に吸収し、かつ、論理的思考法などエンジニアとしての基礎を固める。

これまでに学んだことを基にした各種活動を通じて、自己の優れている点、不足している点を認識し、今後の目標を明確にする。
各ステージでは、広く工学分野の知識を養う科目群、技術経営も含めた技術開発の戦略性の基礎を養う科目群、国際的に活躍できる素養を身につける科目群が提供される。