河原成元教授が日本ゴム協会オーエンスレーガー賞を受賞しました

物質生物系 河原成元教授が、日本ゴム協会オーエンスレーガー賞を受賞しました。受賞の対象となった研究題目は「天然ゴムのナノ海島構造の発見とその加硫への応用」です。オーエンスレーガー賞は、ゴムに関連する学術又は工業に貢献する貴重な積年の研究、又は顕著な累積的な業績のあった個人に授与されるもので、授与数も隔年に1件以内であり、国際的にも評価される賞として位置づけられています。授賞式は、5月21日(木曜)に日本ゴム協会年次大会の会期中(京都工芸繊維大学)において行われました。

【受賞内容の概要】

天然ゴムは優れた力学特性を有する材料として広く利用されていますが、その特性発現の本質的要因については長年にわたり十分に解明されていませんでした。河原成元教授は、天然ゴムがcis-1,4-ポリイソプレンとタンパク質や脂肪などの非ゴム成分からなるナノ構造(「ナノ海島構造」)を有することを発見しました。この発見は、天然ゴムの高い力学特性の起源を分子・ナノ構造の観点から説明する新しい概念を提示するものであり、天然ゴム研究に新たな視点をもたらしました。さらに、尿素脱タンパク質化処理によるタンパク質フリー天然ゴムの調製法およびゴム状態NMR法を用いた構造解析法を開発し、天然ゴムに含まれる非ゴム成分がナノ構造形成や加硫特性に及ぼす影響を体系的に解明しました。
これらの研究により、天然ゴムにおけるナノ海島構造の形成機構とその力学特性への寄与が明確化されるとともに、合成ポリイソプレンにおいても同様のナノ構造を形成させることで天然ゴムに匹敵する力学特性を有する合成ゴムを開発しました。
これらの成果は、天然ゴムにおける特性の発現機構を解明する学術的意義のみならず、合成ゴム材料の高性能化や天然ゴム代替材料の開発にも指針を与えるものであり、科学的・技術的・工業的に極めて重要な貢献であることが高く評価されました。

表彰式の様子 河原教授(写真右側)
オーエンスレーガーメダル