鋼構造物を安全に長く使うために―壊れ方を理解し、よりよい補修方法を考える― - 林 厳

環境社会基盤系 准教授 林 厳
Q. どのような研究を行っているのですか?
私は、橋梁、風力発電タワーなどの鋼構造物を安全に長く使い続けるための研究を行っています。腐食や疲労き裂による傷み方や壊れ方を実験・解析で調べ、よりよい補修方法や新たな構造形式を考えています。
Q. なぜ必要なのですか?
鋼構造物は、交通、物流、港湾施設などを支える重要な社会インフラです。しかし、すべてを新しく造り替えることは容易ではありません。今ある構造物を適切に点検・補修し、安全に使い続ける技術が重要です。
Q. 壊れ方を理解するとは?
鋼構造物は、急に壊れるわけではありません。腐食により鋼材が薄くなったり、繰り返し荷重により疲労き裂が生じたりします。実験で損傷の進み方を調べ、さらにコンピュータ解析で応力や変形を確認しています。
Q. どんな補修方法ですか?
腐食した鋼部材に補修板を取り付ける方法や、FRPという軽くて強い材料を用いた補修・接合方法を研究しています。どのように補修すれば性能を効果的に回復できるのかを明らかにすることを目指しています。
Q. 研究の面白さは?
実験室で得られた知見が、実際の社会インフラの安全に役立つ点です。構造物は一つとして同じ状態ではなく、損傷や環境も異なります。一つ一つの壊れ方を理解し、最適な補修方法を考えるところに面白さがあります。
Q. 今後の展望を教えてください
腐食や疲労で損傷した鋼構造物の補修・補強技術をさらに高度化します。また、3D計測やデジタル技術を活用し、構造物の状態を効率よく把握する維持管理技術にも取り組みます。構造物を「壊れてから直す」のではなく、「壊れ方を予測して手当てする」技術へ発展させたいと考えています。


林 厳 Hayashi Gen
環境社会基盤系 准教授(2026年7月現在)
- 2025年4月 - 現在 長岡技術科学大学 環境社会基盤系 准教授
