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平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞します。

更新日:2015年4月8日

 文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めておりますが、この度、平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(技術部門)を本学教員が受賞することについて決定通知がありましたのでお知らせします。

ソフトマターすくい上げ搬送技術の開発

 古川寛康(古川機工株式会社代表取締役)/高橋勉(長岡技術科学大学 機械創造工学専攻 教授)

 今回受賞対象となった「ソフトマターすくい上げ搬送技術」とはマヨネーズやケチャップなどドロドロ、ベタベタする物体をすくい上げ、別の場所に移動して、元の形を保ったまま貼り付けることができる技術です。
 柔らかい物体(ソフトマター)の力学特性を利用し、物体の壁に貼り付いているごく近傍部分だけに素早い変形を与え、それ以外の部分にはゆっくりした変形を加えることで、形を維持したままでの移動が可能となります。柔らかい物体の力学を巧みに利用したこの技術「スイットル」は、パン工場などの食品工業で広く利用されており、さらには、再生医療における外科手術器具にも応用されようとしています。


スイットルによるマヨネーズの「カット&ペースト」


高橋勉教授


大気開放型CVD法による半導体産業向け耐腐食コートの開発

 時田修二(時田シーブイディーシステムズ株式会社代表取締役)/斎藤秀俊(長岡技術科学大学 副学長・物質材料工学専攻 教授)

 今回受賞対象となった半導体産業向け耐腐食コートとは、パソコンや携帯電話で重要な役割をもつ半導体メモリなどの半導体素子を製造する過程(半導体プロセス)で活躍する保護膜のことです。
 半導体プロセスでは、素子中に微細な電子回路を描くときに腐食ガスを使って、回路が不要な部分の余分な配線を削ります。ところが腐食ガスは、半導体素子ばかりでなく、製造装置の内部をも腐食します。製造装置はたいへん高価で、少しの腐食が致命傷となるため、メーカーは大きな損害を被ることになります。その腐食を時田シーブイディーシステムズ株式会社が本学と開発した耐腐食コートで抑えています。
 この技術が、半導体産業にて製品の腐食工程における装置本体やその部品の腐食を抑えることで、製造コストの低減、半導体製品の不良率低減を実現し、我が国の半導体産業の国際競争力向上に寄与したことが評価されました。


耐腐食コートされた配管


斎藤秀俊副学長


 今回の受賞により、平成25年度から3年連続、6件目の受賞となります。
 表彰式は4月15日(水曜)に文部科学省3階 講堂(東京都千代田区霞が関3-2-2)にて執り行われます。

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