標準試験法の確立で拓く、水中ロボットが活躍する未来 - 眞砂 英樹

Q. 水中ロボットはどんなところで産業利用されているのですか?

1960~70年代頃から海底油田などで使われてきましたが、それらは1トンを超える大型のものでした。2010年代から水中ドローンと称される小型・安価なホビー機が出回り始め、徐々に点検や養殖漁業などに使われるようになりました。最近は初めから産業向けを企図した機体も増えています。

Q. 水中ロボットの性能評価とは?

現場で求められるのは、意図したタスク/ミッションを確実に遂行できる能力ですが、工場等と違って変動要因の大きな水中作業の現場における性能は、カタログ値だけでは判断できません。また、メーカ独自のやり方で行なった試験結果では公平な比較は難しく、現場で必要となるロボットの実戦的な能力を測定・評価するための標準試験法の開発が重要と考えています。

Q. 水中ロボットの難しさは?

濁りによる視界の悪さと、流れの中での位置・姿勢保持が代表的です。また水中ではGPSが使えないため、自己位置推定も大きな技術課題です。

Q. 研究として目指すところは?

標準試験法は、ユーザがロボットを比較・選定しやすくなるだけでなく、メーカにとっても目指すべき開発指標が明確になるというメリットがあります。ドローン業界では中国のDJIと米国のSkydioがシェアの大半を占めますが、水中は運用環境や用途の多様性から目的特化型の機体開発という性格が強く、多くのメーカに参入機会があると見ています。
標準試験法の開発を通じて、海洋立国日本を支える優れた水中ロボットが多く開発され、産業界で活躍する未来に貢献したいと考えています。

学生の開発した水中ロボットの動作確認を、一緒に行なっている様子
現在開発中の「濁水中での水中ロボットのカメラ性能の評価試験法」について検討している様子

眞砂 英樹 Masago Hideki

システム安全系 准教授(2026年10月現在)

  • 2024年7月 - 現在 長岡技術科学大学 技術研究院 システム安全系 准教授
  • 2019年4月 - 2024年6月 国立研究開発法人海洋研究開発機構 研究プラットフォーム運用部門 安全・品質管理グループ 技術主任
  • 2004年4月 - 2019年3月 国立研究開発法人海洋研究開発機構 地球深部探査センター 環境保安グループ 技術主任
  • 2004年4月 - 2009年3月 国立研究開発法人海洋研究開発機構 地球深部探査センター 研究支援統括
  • 2003年4月 - 2004年3月 東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 日本学術振興会博士研究員PD

システム安全系 准教授 眞砂 英樹